1月12日から14日に開催されたカスタムカーの祭典「東京オートサロン2018」で、ぶっ飛んだドリフトパフォーマンスで知られる米国のラリードライバー、ケン・ブロック選手がデモランを披露(関連記事)。幕張メッセの屋外イベント会場に設けられた特設コースで、どえらい白煙とタイヤの焦げたニオイをぶっ放しました。

今回はこのデモランの様子を、外からではなく「ケン・ブロック選手の助手席」からお届けします。
デモマシンはブロック選手のドリフト動画でもおなじみの「フォード・フィエスタHFHV」です。フィエスタのWRC(世界ラリー選手権)向けラリーカーをベースに、ブロック選手の手掛けるHoonigan Racing Divisionが競技と魅せるパフォーマンスのためにカリカリにチューニングしたモンスター。エンジンは2リッターターボながらも、最高出力はなんと600馬力! フルタイム4WDの前後トルク配分もドリフトしやすいようにセッティングしてあるそうです。ちなみにHFHVは、Hybrid Function Hoon Vehicleの略で、ラリー、ラリークロス、そしてジムカーナという複数の用途に適応可能なことを意味しているそうです。

まず、ブロック選手が単独でドリフトパフォーマンスを披露し、観客を沸かせます。つかみはOKと仮設ピットロードに入ってきたフィエスタHFHVの助手席へ、ヘルメットをかぶってのスタンバイ状態だった筆者が乗り込んだのでありました。これから訪れる恐怖も知らずに。
ドグミッション特有の1速へシフトした「ガコンッ」という衝撃と音は、終了後に振り返ると、これから始まる異次元への扉が開いた音だったのでしょう。ブロック選手はピットから極めてスムーズにスタート。そりゃそうですよ。筆者は一般人。ゆっくり速度を上げながら次第に慣れさせてくれるはずです。

スタート直前のブロック選手が、ガコンと1速に入れた瞬間(よーく見て下さい。目がマジです)
……などと思っていたら、ピットロード出口の直前でキュッと停止。頭かくん。
ガァァァァァァァァ「ドンッ!!」「ぐぇっ」。
いきなりロケットスタート。

いきなりロケットスタート
直後にステアリングとサイドブレーキをクイッ。くるりとケツが回り、そのままギャラリーが大勢いる外周の壁へ向かって、「真横」を向いたまま突っ込んでいきます。あひぃぃぃぃぃぃ。壁、壁、壁がぁぁぁ。
真横って信じられます? 解脱しました。

クルマが真横に進んでいた
ブロック様は「ヘイ、ユー大丈夫かい?」と一応心配をしてくれます。しかしその時は、顔もクルマも横を向いたまま、お構いなしに外周の壁に沿って爆走中。狭い特設コースでも時速120キロほどが「一瞬」で出ていた印象です。
グルッと外周を回ったら、トーヨータイヤの廃タイヤで制作されたアート作品「THE LION」の回りをぐーるぐるとドリフトで旋回。そこでアクションカムを構えていたトーヨータイヤのイベント担当撮影スタッフとフロントガラス越しにご対面。これ、横向きにドリフトしているからこそ可能な技です。続いて柵で囲まれた小さなスペースへ飛び込むと、そこでもぐーるぐるとドリフトしながら回ります。

THE LIONの周囲を旋回中。正面に撮影スタッフが見えます

この像の周りをぐーるぐると

柵に囲まれた狭いスペースでもフロントタイヤを軸にしてぐーるぐる
ひぃぃぃ、ぶつかる、ぶつかる、柵、ぶつかるって。
ブロック様は回転を止めないまま、車体1台分の柵の隙間から狂いなくピタッとまっすぐに抜け出しました。
あぁぁぁぁ……。
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