メッセージアプリで相手にメッセージを読まれたかどうかわかる「既読機能」。既読スルーを巡ってトラブルになるなどネガティブな意見も多いですが、戦争を経験したおばあちゃんが既読機能をうらやましがるという創作漫画が、Twitterで利便性や平和について考えるきっかけを与えています。作者は漫画家・イラストレーターのミツコ(@_3_2_5_)さん。

彼氏からの既読無視にいらつく孫。初めて「既読機能」の存在を知ったおばあちゃんは――(画像提供:@_3_2_5_さん)
リビングでスマホをにらみつけている女の子。おばあちゃんに理由を尋ねられ、メッセージアプリで彼氏から既読が付いたまま返信が来なくていらだっていることを説明すると、「既読? 相手が読んだことがわかるのかい?」「相手に届いたことがわかるなんていいねぇ」と意外な食いつき方をされます。


おばあちゃんには戦時中、思いを寄せる男性が出征してしまった過去がありました。当時の連絡手段は手紙のみ。検閲が厳しくて思うことも自由に書けず、戦争が激化してからは相手に届くことの方が珍しくなりますが、それでもひたすら彼へ手紙を送り続けました。「返信がきたときは嬉しかった。私の言葉が届いて彼の言葉が私まで届く。こんな嬉しい事はなかったわ」と振り返ります。

返事を待つ時間すらいとしく思えていましたが、その人は戦争から帰ってくることはありませんでした。「今は、好きな人のもとへ言葉が届いたことがわかるのね いい時代になったわね」と穏やかに話すおばあちゃん。女の子が「その人との話もっと聞かせて」と真剣な表情で迫ると、「おじいちゃんには内緒よ?」とまたほほえむのでした。
「既読機能」への印象が変わるだけでなく、離れた人と言葉を送り合える時代にありがたみを感じるような話。Twitterでは2万回近くリツイートされるなど反響を呼び、「便利になったからこそ不便だった頃も思い出していい時代であることを確認するの、大事だよな……」「ちょっとおばあちゃんに会いたくなった」「美徳は変わるけど、人の心の良きところは変わらないでほしい」とさまざまな声が寄せられました。
作者のミツコさんは、ある日友達から「好きな彼から既読ついたまま返事がこない」と相談を受け、「ああ、あの時代に恋愛していたひとだったらどんなきもちだったかな」と想像しながら今回の漫画を描いたとのこと。中学3年生だった12年前、特攻隊のドキュメント番組を見たのをきっかけに戦争時代について勉強し続けているらしく、今回も戦時中の郵便事情などを調べたりしながら制作したそうです。
「自分と同年代の若い世代のひとたちに、この時代のことについて漫画でわかりやすく描いて伝えて継承していけたらいいなと思います」(ミツコさん)
画像提供:ミツコさん(@_3_2_5_)
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