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都営地下鉄浅草線に新型車両「5500形」が登場。2018年6月30日に運行を開始します。

5500形は、1990年に登場した現行車両「5300形」全27編成の置き換えを目的に導入する新型車両です。西馬込〜押上間の東京都南部から中央部・墨東地域を通る浅草線は、都心の通勤列車としての役割に加え、京急線や京成線と相互直通運転することから羽田、成田の両空港へのアクセスも担う路線。外国人観光客の観光スポットとして人気の高い浅草や歌舞伎座のある東銀座なども経由します。

そこで新型の5500形は「日本らしさとスピード感が伝わる車両」をコンセプトに開発。外観はラインカラーのローズをこれまで通りに用いながら、歌舞伎の化粧法「隈取(くまどり)」(関連記事)をイメージしたデザインを取り入れ、なんとも粋で縁起も良さそうな車体に仕上げました。製造は総合車両製作所。まずは1編成8両からはじめ、順次置き換えを進める予定です。



車内設備もより快適さを高めています。まず座席幅を広げ、東京の伝統工芸や沿線由来のイラストを使った「落ち着いた和の雰囲気の中にも遊び心があるインテリア」があしらわれます。車いすやベビーカー、スーツケースを持つ乗客などに向けた車いすスペース/フリースペースを全車両に設置し、吊手と手すりの数を増強。ラッシュ時のスムーズな乗降のために乗降口わきのスペースも広げました。冷房能力を高め、空気清浄機能も備えた空調設備の強化もうれしいところです。
このほかドア上に備えた多言語対応の2画面液晶モニターに加え、JR東日本(関連記事)や東京メトロ(関連記事)などが進める施策と同様に、車内防犯カメラを全車に設置します。


5500形には省エネルギー性能がより高い新型のVVVF制御(可変電圧可変周波制御)装置も備えます。新型のVVVF制御装置は、次世代の半導体素子とされるSiC(炭化ケイ素:Silicon Carbideを用いた半導体デバイス)を用い、従来のVVVF制御装置に使われていたSi(シリコン)に比べて低損失・高温動作を可能とします。全照明のLED化とともに、従来型車両よりも環境負荷を抑えて運行できるとしています。
東京都交通局はこの5500形の運行開始を記念して、車両のデザインモチーフでもある歌舞伎とコラボしたWeb動画「KABUKI UNDERGROUND」を公開。動画には歌舞伎俳優の中村壱太郎さんが出演し、歌舞伎の世界観と都営浅草線の魅力の両方を見事に表現。浅草線の車両基地である馬込車両検修場の構内に舞台を設置して撮影したそうです。

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