古本屋で自分のサイン本を見つけたことから、余命いくばくもない友人と再会するTwitter漫画「束の間の幻影」が、「ただただ感動」「余韻がすごくミステリアス」と好評を博しています。「世にも奇妙な物語」のような世界観がたまらない……!
漫画「束の間の幻影」
主人公はある研究者。古本屋に立ち寄ったところ、自身のサインが入った本を見つけます。それは主人公が1冊だけ特別にサインした本で、友人のXにプレゼントしたものでした。

「多分あいつが売ったものが、巡り巡ってこの本屋に流れ着いたのだろう」とXとの思い出を回顧する主人公。しかしふと、「でも待てよ」と冷静になります。もしかしたらXは死んでいて、その遺族が本を処分したとしたら……。「考えすぎだ」と思いながらも胸のざわつきが抑えきれません。

そしてXと20年ぶりに会うことになる主人公。ただ、再会の舞台は病院の一室で、ベッドに伏したXは、呼吸器が付けられているため話すこともできないという状況でした。目に涙を溜め、つかの間の再会を果たす二人。しかし、運命は残酷で、Xは天国へ旅立ってしまいます。
参列者の少ない葬儀で、ふと「(あの本を見つけられなければお見舞いはおろか、葬式の知らせもなかっただろう)」と不思議な気持ちになる主人公なのでした。

と、ここまででも不思議な縁を感じさせるお話ですが、この物語には“後日談”が続きます。ある日、主人公のもとに届いたのは主人公の著作とXのお母さんから手紙。本を開いてみるとそこには主人公のサインが入っているではありませんか。「そんな馬鹿な」「確かに私は一冊しかサインしなかったはずだ!」と激しく動揺する主人公。
Xのお母さんからの手紙には、Xの遺品を整理していたところ主人公の本が見つかったが、処分するのはしのびないので、お送りするという旨が書かれていました。その後、すぐにあの古本屋へ向かった主人公ですが、「本はみつからなかった」と締めくくられています。

この作品を発表したのは、漫画『書店員 波山個間子』が好評発売中の黒谷知也(@kuroyatomoya)先生。不思議な世界観や面白い着眼点の作品を多く発表しており、今回の作品には、「4ページだけでここまでの美しいお話が描けることに感嘆しました」「いろんな感情が込み上げて、読み終わった瞬間に鳥肌がたちました」「いい話で終わるところが、怖い感じのゾワッがきた――」と多くの感想が寄せられています。
またこのほかにも「1度売ったが園田氏(主人公)がお見舞いに来た為やはり本人に返そうとX氏の母親が慌てて買い戻したとか?」「束の間の束を『たば』と読むこともできるのでしょうか……本という紙の束の間にあった幻影ということで…….」「Xさんが古本屋のオーナーだったのかもと一瞬思ってしまった自分は荒んでいるのか……」とさまざまな考察がなされています。良い作品には余韻が残るもの。あなたはこのお話をどう解釈しますか。
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