有名な中学校の入試問題は「本当に小学生が解くの?」と驚いてしまう難問ぞろい。今回は有名私立校・開成中学の入試問題に挑戦してみましょう。
問題

真っすぐな80センチの棒(重さは無視できる)と20グラムのおもりを使って釣り合いの実験を行います。
実験1.両端(中心から40センチの位置)に1個ずつおもりをつり下げると釣り合いました。
実験2.右側のおもりを水中に沈めたところ、左側のおもりを中心から31センチの位置にずらすと釣り合いました。
実験3.右側におもりを3つつけ、そのうち2つは水中に沈めました。左側におもりを3つつり下げる場合、中心から何センチの位置につるせば釣り合うでしょう?
(平成29年度開成中学校入試問題・改題)


おもりを水中に沈めると、てんびんのつりあいは空気中と異なる様子を見せます。「おもり3つのうち、2つだけ水中に沈める」という複雑な状況ではどうなるのか、シンプルな実験結果から考えさせる問題です。
解説
20グラムのおもりを水に入れたとき、重さがどう変化するのか考えましょう。
てこが釣り合っているとき、「おもりまでの長さ×おもりの重さ」の値が左右で同じになるという性質があります。実験2に当てはめると、てこの左側は31センチ×20グラムで「620」。反対の右側も同じ値になるはずなので、おもりの重さは「620÷40=15.5」から、15.5グラムであることが分かります。
この結果を使って、実験3の答えを出してみましょう。
右側のおもり3つのうち2つは水中にあるので、重さの合計は「20+15.5+15.5」で、51グラム。おもりまでの長さ40センチをかけると、2040になります。
左側のおもりは20グラムが3つで60グラム。「つるす場所の長さ×60=2040」が成り立つので、答えが「34センチ」であることが分かります。
実は、浮力の問題にしては珍しく、体積まで計算する必要はない問題だったのです。一見難しそうですが、物理の本質を分かっているとショートカットして解けるようになっています。もっと物理の本質がある人はもっと少ない計算量で解けたはず。スピードが問われる入試問題では本質をつかむ力が要求されます。
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