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アニメ映画「若おかみは小学生!」の公開記念トークイベントが10月5日、東京の新宿バルト9で開催され、高坂希太郎監督、DLEの齋藤雅弘プロデューサー、マッドハウスの豊田智紀プロデューサーが登壇。詰めかけた満員のお客さんに対して、公開を受けての思いや制作の裏話などを語りました。

「若おかみは小学生!」は、令丈ヒロ子さんによる児童文学シリーズが原作。交通事故で両親を亡くした小学生のおっこ(関織子)が、ユーレイのウリ坊の頼みで、祖母の経営する老舗の温泉旅館「春の屋」を継ぐために若おかみとして修行していく物語です。2018年4月8日から9月23日にかけてテレビアニメも放送。

2003年の「茄子 アンダルシアの夏」以来、15年ぶりに劇場公開作品の監督を務めることになった高坂監督。映画化の話を受けた際には、児童文学になじみがなく、目の大きなキャラクターとも接点がなかったことから「最初はすごく抵抗感があった」といいます。原作ファンのことを考えてなんとか形にしていったとのことで、そのときの思いを「なんでわたしが若おかみ!?」と、第1話のタイトルになぞらえて観客を沸かせました。

制作年表によると、劇場版は2015年6月と、テレビシリーズ(2016年7月に脚本開始)に比べて1年以上早く動き始めています。映画化が決定した段階でテレビシリーズの話も上がっていたそうですが、そのときには同時制作は無理だろうと思っていたと豊田さん。劇場版とテレビシリーズではスタッフも異なっており、豊田さんは「劇場版につながるとかは全く考えずに、違うもの作りましょう。高坂監督の作品を食っちゃうぐらいの勢いで面白いものを作ってください」とテレビシリーズのスタッフに声を掛けたといいます。

プロデューサーたちからは、絶対90分に収めてくださいと念押しされていたという高坂監督ですが、トークイベントでは、エンディングの後にどうしても追加したかったというシーンの話も。おっこが買い物に行き、そこでウリ坊らしき男の子を見掛けるという内容で、Q&Aコーナーでは観客から「ディレクターズカット版」などとして出してほしいとの意見も。齊藤さんが「皆さんのご支援があれば」と回答すると、客席からは拍手が起こりました。

また、エンディングには別案があったとのこと。もともとは黒バックに花が舞い散る映像を予定していたそうですが、撮影監督から子どもが見ることを考えると、雰囲気が重くなるのではとの意見があり、最終的に高坂監督のイメージボードを出すことになったようです。「あまり人前に出す絵ではなく、僕は反対だったんです」という高坂監督ですが、いまは納得していると話しました。
さらに、見た人たちの間で人気が高まっている美人占い師のグローリー・水領について、「ノーメイク、薄いメイク、濃いメイクとちゃんと反応してくださって(笑)」と高坂監督。当初は、お風呂のシーンで眉毛をなくしたらいいのではと思っていたそうですが、スタッフの女性たちからの反対を受けて取りやめたことも明かしました。
最後に高坂監督は、「ご覧いただきありがとうございました。また皆さんのご支援があれば、追加カットもあるかもしれないので。よろしくお願いします(笑)」と会場を盛り上げ、イベントは幕を閉じました。

(C)令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会
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