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乗り鉄の「松の内」はいつまで? 「アレが発表されたら」でいいですよね?
松の内も過ぎてしまいまして、今さらですが本年もよろしくお願いします。
さて、正月気分の代名詞「松の内」ですが「本来は7日まで説」「小正月の15日まで説」などがあるようです。しかし乗り鉄的に決着をつけるならば「JRが年末年始の利用客数を発表したら年始気分は終わり」で良いのではと思います。本年2019年は1月7日でした。
ざっくりまとめると、JR旅客会社各社は全て対前年比を超えました。JR北海道は北海道新幹線を含む主要4線区で対前年比103%。JR東日本は新幹線・特急列車などの利用者合計が対前年比103%、JR東海も同様の集計で対前年比106%、JR西日本も同じく対前年比106%、JR九州も対前年比101%でした。JR四国は主要3線区で102%でした。
曜日の配列や天候影響もある数字ですけれども、まずは景気の良いスタートです。

箱根駅伝に「真っ赤なロマンスカー登場」 絶妙過ぎるタイミングの良さに鉄道ファンざわつく
さて、新年最初の楽しい乗り鉄話題は「箱根駅伝」でした。
大学生ランナーが主役のイベントになぜ鉄道ファンがざわついたのでしょう。それは、小田急ロマンスカーの新型車両「GSE」(関連記事)がテレビ中継にバッチリ映ったからです。しかも往路、復路ともにトップの選手が箱根湯本駅を通過する瞬間のことでした。


GSEこと70000形の車体は赤系統の「ローズバーミリオン」(関連記事)というとても目立つ色です。さらに小田急の「ロマンスカーで箱根へ」のテレビCMも流れ、PR効果はバッチリ。SNSなどでは「あれは絶対ワザとだ(笑)」などと盛り上がったのでした。その後のニュースでも小田急電鉄の「このためにGSEを配置した」というコメントがあったそうです。うまいこと言うなあ。

「ちょうど最新型のロマンスカーが入ってきた」
「小田急ダイヤ調整上手すぎる」
(1月3日の復路も)「まーたいいタイミングで箱根湯本駅に」
「急にこの日だけ車両変更なんて無理でしょ。駅に停車させておくなんて無理でしょ」と思って、小田急電鉄にあらためて聞きました。
「ダイヤ担当者の機転と偶然です」(小田急電鉄)
とのこと。なんと、やっぱり狙ってた! ちょっと深追いしてみます。
このダイヤ自体は2018年3月に改正されたものです。ただし、そのダイヤにどの車両を割り当てるかは、大体2カ月前に計画し、車両担当者と打ち合わせて決めるそうです。
「ダイヤ担当者が2019年1月の車両運用を計画するときに、新型ロマンスカーを走らせて“選手の皆さんを応援したい”、そして“応援にお越しの皆さまにも新型ロマンスカーをご覧いただきたい”という思いから、選手の通過時間に近い列車にロマンスカーGSEを割り当てました」(小田急電鉄)

小田急電鉄は日中の箱根湯本行きロマンスカーを1時間当たり2〜3本運行しています。ロマンスカー車両は4種類。このうち展望車がある車両は、赤い「GSE」と白い「VSE(50000形)」です。この2つは特に人気があるため、小田急は列車の車両の割り当てをネットで公開しています。
一方で箱根駅伝の方も、交通規制などのために選手の通過予想時刻を公開しています。これをロマンスカーの時刻表と照らし合わせます。なるほど2019年1月2日の往路は、選手の箱根湯本駅通過予定時刻と同じ12時28分に発車する「はこね16号」にGSEが割り当てられていました。
1月3日の復路もそうです。選手の通過予定時刻であった8時50分に到着する「はこね51号」にGSEが割り当てられていました。やるな小田急さん。しかも1月3日の復路は、選手の通過とぴったりと重なり、ロマンスカーのミュージックホーンが放送で中継されたほどでした。
「小田急がランナーの通過タイミングから逆算してGSE運用ダイヤを組んでいるに違いない」
「先頭ランナーの箱根湯本通過と同時にロマンスカーがミュージックホン鳴らして入線とかなかなかすごかったな〜」
「定刻通りの運行です。わざと遅らせるなどで到着したのではありません。選手の通過予定時刻は気象状況などでも変わりますから、このバッチリタイミングは偶然の一致です」(小田急電鉄)
小田急電鉄は2018年まで、特段に駅伝を意識して車両を割り当てることまではしていなかったそうです。今回、初めて「新しいロマンスカーで選手を応援しよう」の意図で実施し、それがバッチリ決まりました。ダイヤ担当者の「選手の通過時刻ぴったりに箱根湯本駅でGSEを配置できるかも」という気付きと、「そのアイデア、乗った!」とばかりに割り当てを決めた車両担当者、彼らの粋(いき)な試みだったのでした。
関係者は計画したときから当日までワクワクしただろうなあ。バッチリとテレビに映って、さらにタイミングもバッチリと決まって、うれしかっただろうなあ(笑)。
昨年の駅伝の実況中継では、法政大学の磯田和也選手が小田急電鉄へ就職が内定していると紹介されました。「就職しても運転手として箱根を目指す」という言葉にジーンと胸を熱くした鉄道ファンも多かったようです。なお鉄道と箱根駅伝といえば、JR東日本に就職し、実業団ランナーとして活躍する選手もいます。また、JR九州も実業団陸上競技に参加しています。鉄道ファンの皆さん、駅伝や陸上競技に興味を持ったならば、JR東日本やJR九州も応援しましょう。
さて小田急は次回、箱根湯本駅にどんな車両を仕込むのでしょうかね。来年2020年の箱根駅伝、今からもう楽しみです。
【訂正 2019年1月23日 13時 初出時、磯田選手に関する記述に誤認による誤記がありました。お詫びして訂正いたし ます】
続きまして、乗り鉄的に注目しておきたい2019年の鉄道話題をお届けします。
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