「一か八か」は「結果は分からないが、運を天に任せて思い切ってやってみる」という意味の慣用句です。「一か八かの大勝負」「一か八か起業する」のように使われます。
でもどうして2や9ではなく1と8という数字の組み合わせなのでしょうか。
慣用句の語源は「賭博」
「一か八か」の語源にはいくつかの説がありますが、いずれも賭博(ギャンブル)用語であったという部分は共通しています。賭博は運任せで当たれば大もうけ、しくじれば大損ですから「一か八か」の意味にぴったりですね。

有力とされている、2つの説を紹介します。
説1:もとは「一か罰か」だった
1つ目の説はサイコロをつかった賭博で賭けていた1の目が出るか、それとも罰(=ほかの目が出る)か、といったところからという説です。つまり「一か八か」の八は罰から来ているということです。
「一か八か」の八は「ハチ」と読まずに「バチ」と濁音で読みますが、この説で説明がつきます。罰は罰当たり(バチあたり)というようにバチという音でも読みます。
説2:もとは「丁か半か」だった
もう1つの説は同じくサイコロをつかった賭博で、出た目が丁(偶数)か半(奇数)かで勝負を決める丁半賭博というものがあり、その丁と半という字の上の部分を取ったものという説です。
現在使われている字体では半の上の部分は八の逆さまですが、絆という字のつくりに残っているように旧字体では八の字をしていました。

ほかにもある、サイコロから生まれた慣用句
江戸時代には「一か八か」だけでなく「一か六か」というフレーズも使われていました。こちらはサイコロで1の反対側の目は6で、丁半も逆(1は奇数で6は偶数)であるところから来ていると考えられます。
2と5、3と4も同じ関係にあり、これを裏目といいます。「良かれと思ってやったことが、逆に不都合な結果になる」という意味の「裏目に出る」という慣用句はここから来ています。

ほかにも「出たとこ勝負」のように賭博が由来となった日本語はいろいろあります。ときには「一か八か」の思い切った決断が必要とされるときもありますが、裏目に出ないよう、バクチはほどほどにしておくのが良いでしょう。
参考文献
小林洋次郎(2015)『遊びの語源と博物誌』勉誠出版
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