告白しても相手から変な目で見られてしまうかもしれない。差別を受けることがある。法律上の結婚ができない――同性愛者が感じる「生きづらさ」について、「同性愛」と「異性愛」を入れ替えて描いた漫画が考えさせると反響を集めています。作者は飯塚モスオ(@moscowmule_)さん。

「同性愛」と「異性愛」を逆にする漫画
漫画は異性愛がマイノリティな世界。主人公はある日、「……実は俺、女の子が好きなんだ」と男友達に告げます。友人は「…は?」「うわ、ガチかよ」と、かなり戸惑っている様子。「何で今まで黙っていたの?」と言われ、今度は主人公が困ってしまいました。友人が勝手に同性愛者だと思い込んでいただけではないかと思いながら、それが普通の反応だとも考えてしまいます。

またあるとき、3人組の女友達に同様のことを告げると、1人から「何で女の子が好きなの?」と問われます。心の中で「こっちが聞きたい」とぼやく主人公。彼にとっては異性を好きになることが自然なこと。理由を聞かれても答えに困るのです。他の友達からは「他の国では殺されるって聞いた」「そういう友達ほしかったんだよね」と、「普通でない人」への対応。さらに「この中で誰がタイプなの?」と聞かれ、なぜこの中にタイプがいることが前提なのか……と主人公は困ってしまいました。

別の人から「彼女はいるの?」と聞かれて「いない」と答えると「それって本当に異性愛者なの?」「モテないからそっちに走るとか気の迷いじゃない?」などと返されました。異性愛者であることとパートナーの有無は関係がないため、主人公には代償行動のように思われることが心外でした。

今の時代、SNSなどで自分と似た立場の人と知り合うこともできるけれど、生きづらさを感じることがなくなるわけではありません。何もしていないのに「気持ち悪い」などと言われてしまったり……。交際相手がいても法的には結婚できず、式をあげることはできても、その先にあるはずの「家庭」が社会から認めてもらえない……主人公は深く思い悩んでしまいます。

漫画を読んで同性愛者の置かれた状況を理解できた人は多いようで、Twitterでは多くのリツイートやいいねが集まり、たくさんのリプライが寄せられています。
「この漫画がもっと多くの方々に読まれたらいいのになと思います。異性愛も同性愛も、根本は好きという気持ちから始まっていると伝わります」「そもそも人の好きに口出しするのがおかしい」「今まで何度となくこの描写に行き着いたことか…。とてもスッキリしました」といった声が寄せられる一方で、批判的な意見も散見され、ここからも問題の根が深いことが伝わってきます。
飯塚さんの漫画は「飯塚モスオの漫画まとめ」からも読むことができます。Kindle Storeでは日常の出来事を中心にした4コマ漫画「モスコミ」を配信しています。
画像提供:飯塚モスオさん(@moscowmule_)
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