霧の立ちこめる山で、男女が口論に――。不安感しかないようなシチュエーションの漫画が、予感を裏切らない怖さで好評を博しています。

せっかく登頂しながらも深い霧に見舞われてしまった主人公。霧がひけば雲海が見られるかも……と一休みしていたところ、騒がしい男性が恋人らしき女性を連れて登ってきました。


男は記念撮影中に悪ノリし始め、彼女にネコミミのポーズをとるよう命令。いざ写真の仕上がりを見れば「ヒッデーかお」「ブサ」と言いたい放題です。

付き合い慣れたカップルの軽口にも聞こえる会話でしたが、女性のほうは静かに怒っていた様子。「いつもがまんしてたけど、その幼稚なコミュニケーションのとり方やめなよ」「人の容姿を悪く言って笑いにしようなんて程度が低いよ」「言葉って呪いなの」などと、淡々と抗議の言葉を並べていきます。

しかし、「分かった?」と言われた男の反応は「わっかーんない!!!」。女性はあきらめ気味に、「も〜! ブスじゃないも〜ん☆」と、彼が望むような女性を演じます。
男はどうしても恋人より優位に立っていないと気が済まない性分のようで、「ムリしてムツカしい言葉使おーとするなよ」「バカなんだからさあ」などと、見下すような発言を止めません。これにはずっと笑顔を絶やさずにいた彼女も、一瞬だけぎょっと目を見開きます。

会話を横で聞いてハラハラしつつカップルが先へ行くのを見送り、霧がひくのを待ち続ける主人公。遠くに人影を見て、彼らが帰ってきたのかなと思ったところ、お年寄りの登山者が何やら不安げな会話をしながら近くを通り過ぎていきます。

聞き耳を立てると、どうやら顔を青くした若い女性が“独りで”歩いていたと話している様子。その女性がさっき見たカップルの片割れだとしたら、男性はどこに行ったのか? まさか……?

想像して恐怖を覚えた主人公は、件の女性が近くに来ていると聞いて、あわてて下山します。道中、何者かに背中を押されそうな不安を感じて振り返っても、そこには霧が立ちこめるのみ。主人公は、あの女性はきっとあのあと男とケンカして、離れて歩いているところを独りだと思われたのだと、ひたすら自分に言い聞かせるのでした。


同作は、kaho(@kaho54235115)さんがTwitterで展開しているシリーズ。過去作はハッシュタグ「彼沢さんの四方山話」から読めます。
夏の話題作に合わせた1編
BOOTHでPDF版の販売も行っています
作品提供:kaho(@kaho54235115)さん
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