「白線急行」「区間特急」「通勤快急」──。関西圏の鉄道には他の地域では見られない、ちょっと珍しい名称の列車種別があります。「快速特急A」「特快速」などを紹介した「関西“珍”列車種パート1」に続き、どれも個性豊かで、中には注意が必要な種別もある、関西圏在住の筆者お勧め「関西“珍”列車種 パート2」を紹介します。

【1】阪神電気鉄道「区間特急」
区間急行など、区間○○という列車種別は関東圏など他地域の鉄道にもいくつかありますが、「区間特急」は阪神電車オリジナルの種別です。区間特急は平日朝ラッシュ時の上り(梅田方面)にのみ設定されています。

しかも途中駅である「御影駅始発」のレア列車であるのも特徴です。停車駅は魚崎、青木、深江、芦屋、打出、香櫨園、今津、甲子園、尼崎、野田。直通特急と特急が停車する代表駅の1つである西宮には止まりません。
区間特急は1981年、大規模マンション群として開発された芦屋浜団地、武庫川団地の居住者に対応するために新設されました。以降、運行区間や停車駅を変えながら現在に至っています。

【2】南海電気鉄道「普通」
続いては南海電鉄の「普通」です。
「普通? どこでも運行されている種別じゃないの?」と思うでしょう。しかし南海電気鉄道南海本線の普通はちょっと違います。南海本線の難波〜岸里玉出間は高野線と並走するのですが、その区間の今宮戎と萩ノ茶屋には止まりません。「普通」なのに各駅に止まる列車ではありません。

……止まらないのではなく、「止まれない」の方が正しい説明になるでしょう。実は「南海本線には(高野線にはある)今宮戎と萩ノ茶屋のホームがない」のです。和歌山市、関西空港方面から両駅へ行く場合には、天下茶屋で高野線の「各駅停車」に乗り換えましょう。

【3】南海電気鉄道「各駅停車」
3つ目は、前述した南海電鉄の「各駅停車」です。

高野線は、全ての駅に止まるので各駅停車とし、普通とはあえて分けた種別になっています。方向幕や案内板では、多くは略して「各停」と表記されます。
ともあれ初めて乗る人は、同じ南海電車なのに、普通と各停って何が違うの? と頭に「?」がいくつか浮かぶと思いますが、あえて分けている理由があるのですね。今宮戎や萩ノ茶屋を訪れて、「普通」が目の前を通過する場面を体感してみるのも楽しいですよ。

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