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日本を代表する関西の大都市、大阪府大阪市には東京圏に劣らず数多くの鉄道路線が走っています。

しかしそんな大都市の中で異彩を放つ愛すべき路線が1つ。それが今回紹介する「南海汐見橋線」です。南海汐見橋線は汐見橋駅〜岸里玉出駅を結ぶ路線。大都会大阪市内を走る路線にもかかわらず、おおむね30分間に1本ほどしか列車が来ないローカル線です。しかしこれがいい……! 今回はこの汐見橋線でしか味わえない魅力をお伝えします。
大阪市内なのに「時が止まっている……」を味わえるローカル線
南海汐見橋線は大阪市浪速区の汐見橋駅と大阪市西成区の岸里玉出駅を結ぶ、全長4.6キロの路線です。正しくは南海高野線の一部ですが、一般的に汐見橋線と愛情込みで呼ばれています。もっとも、2019年現在は高野線から完全に切り離されており、2両編成の電車が汐見橋〜岸里玉出間を往復しています。

汐見橋線が開業したのは1900年のこと。明治33年です。高野線の前身に当たる高野鉄道の路線でした。1929年に高野線の列車が難波駅発着になると、汐見橋線の役目や存在感は次第に低下します。一時期、大阪・キタと関西空港を結ぶルートに組み込む計画もありましたが、残念ながら実現はしませんでした
それでは乗っていきましょう。汐見橋駅へは阪神桜川駅、Osaka Metroの桜川駅からでもアクセスできます。汐見橋駅は大阪市内にあるにもかかわらずとても静かで、始発駅にはとても思えません。

駅舎に入ってもシーンとしています。発車20分前ですが、利用客は筆者以外1人もいません。かつては改札機の上に昔の南海電車の地図が掲示されていたようですが、2019年現在は撤去されています。

あらためて岸里玉出行きの時刻表を確認します。夜間時間帯以外はきれいな30分間隔です。汐見橋発の電車は全て岸里玉出行きです。南海本線や高野線へは岸里玉出駅で乗り換えましょう。

ホームの雰囲気はザ・昭和。近年もうあまり見かけなくなった、古レールをフレームに使った屋根がたまりません。涼しい季節になれば、ホームで過ごすのも悪くなさそうです。

汐見橋線では、元「登山電車」が走る
岸里玉出駅から、2両編成の電車「2230系」がやってきました。2230系は1969年から1972年にかけて製造された南海22000系の改造車です。22000系は急勾配、急カーブのある高野山極楽橋に乗り入れた登山鉄道車両で、「ズームカー」という愛称で親しまれました。その後ワンマン化改造を受け、汐見橋線などの支線で活躍しています。
2230系は全長17メートルと南海本線の車両と比べると短めです。ドアも片側に2つずつしかありません。しかしどことなく、むかーしの南海電車を感じられる懐かしい車両です。

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