兵庫県姫路市がこの夏、市役所で冷房使用時の室内温度を25度に設定したところ、残業時間を約14%減らせたという結果を発表し、Twitterではこの取り組みを称賛する声が相次いで投稿されています。
環境省は「クールビズ」で冷房使用時の室温として「28度」を推奨していますが、「28度では暑くて仕事の能率が落ちる」と実感している人が多いようです。姫路市の結果を受けて、それぞれの環境で適切な室温設定をしてほしいという期待が広がっています。

神戸新聞の10月8日付報道によると、姫路市は7〜8月、市役所本庁舎で冷房時の室温を25度に設定し、影響を調べました。「室温が25度から28度に上がると作業効率が6%低下する」という専門家の分析を基にした取り組みで、スタート時には「省エネに逆行するのではなく、働き方改革をポジティブに進めるため」と説明しています。
実証実験の結果、職員の8割以上が「業務効率が向上した」と答え、前年と比べて総残業時間は14.3%減り、人件費を約4000万円減らすことができたとのことです。一方で光熱費の増加は約7万円で済んでおり、経済効率も高いとしています。来夏も実験を継続するとのことです。
この取り組みを定例会見で発表した清元秀泰市長(55歳)は医師。東北大学医学部教授を務め、東日本大震災の際には被災地で医療支援に当たった経験があります。今年5月には、挨拶に訪れた薪能(たきぎのう)の会場で、心肺停止状態になった能楽師に救命措置を施し、一命を取り留めたという一件が話題になりました。
環境省は「クールビズ」について、「冷房時の室温28度で快適に過ごせる軽装や取り組みを促すライフスタイル」と定義しています。28度設定については「なんとなく目安でスタートし、1人歩きした」という裏話がありますが(産経新聞の記事)、環境省は現在もクールビズの公式サイトに「どうして28度」というページを設け、意図を説明しています。
一方で「室内温度が上がると作業効率が落ちる」ことも指摘されており、例えばコールセンターで影響を調べた2005年の研究(「コールセンターの室内環境が知的生産性に与える影響」)では、室温が25度から26度に上がった際、作業効率が2.1%低下したとのことです。先行研究によるモデル化では、25度から1度上がるごとに作業効率が2%低下するとしており、これにおおむね一致したとしています。
夏の室温については多くの人が思うところある様子。行政が率先して取り組むことで、「ウチの会社もやってくれないかなあ」と期待する人が多いようです。
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