ねとらぼ
2019/11/09 13:00(公開)

圧倒的不審者の工房:菌を育てて固めて包丁を作る → 菌の姿を刻み込んだ世界唯一の包丁が完成

今回もよく切れてます。

 “菌”から包丁が作られました。作ったのは、段ボール、パン、豆腐、海藻……あらゆるものを包丁にしてきた圧倒的不審者の極み!さん(関連記事)。本当になんでも包丁になるんですな……!

完成品

菌でできた包丁


 動画の投稿は2019年10月26日ですが、菌を育て始めたのは2019年3月。砂糖水に「酢酸菌」を入れ、段ボールで作った培養装置で育てます。この菌が作るセルロースは、液晶ディスプレイの材料にもなるそうです。

鍋で砂糖水を作る様子
試験管に入った菌

27度の砂糖水に菌を加えます


パスタケースに菌を入れる
段ボールにしまう

ヒーターを入れた段ボールで培養します


 2カ月後、菌はぷるぷるとした物体になりました。上の方はスライムのような何かに、下の方がイカのようなシートになっています。この謎物体をゆでて、水気を絞って、乾燥させます。さらに乾燥させたものを粉状に。菌の粉が完成しました。

2カ月後の菌

ぷるぷるした何かになっています


スライムっぽいものをすくっているところ
イカっぽいもの

上はスライム、下はイカのようになっています


スライムとイカを鍋に入れる

短冊切りにして、鍋でゆでます


絞り機
糖度計

絞って、しぼり汁のpHや糖度を調べます


絞ったものを並べたところ
乾かしたところ

乾燥させます


電動ミル
手引きミル

電動や手挽きのミルで粉末に


粉末にしたところ

菌の粉末ができました


 ここからはアラビアガムを使います。アラビアガムはM&M'Sチョコのコーティングにも使われる材料です。粉とアラビアガムを乳鉢で混ぜると、粘土状の物質が完成。この物質を乾燥させ、木や缶を貫通できるほど堅い材料になったことを確認し、包丁の形に切り、やすりや砥石で削って仕上げていきます。

アラビアガム

アラビアガムという天然樹脂を使います


乳鉢でまぜたところ
アラビアガム

アラビアガムと粉を混ぜます 混ぜたものを乾燥させると木を貫通するほど堅い物質になります


ローラーで伸ばす
伸ばされたところ

板状にします


糸のこで切る

糸のこで、包丁の形に切り取ります


粗い砥石で研ぐところ
細かい砥石で研ぐところ

あとは研ぎます


 最後に、顕微鏡で菌を観察しその姿を元に画像を作成。レーザー加工機で包丁に刻み込みました。自分が育て愛していた菌です。自分のペットの姿を刻み込んだとでもいえるのでしょうか……ともかく、愛があふれる唯一無二の包丁になりました。

顕微鏡

顕微鏡が出てきた


菌の写真
菌をコピペ

菌の姿を元に画像処理


レーザー加工機で菌を描く

画像を包丁に刻み込む


きゅうりを切るところ

切れ味も上々の包丁ができました


 切れ味は今回も上々。キュウリもサクッと切れています。

画像提供:圧倒的不審者の極み!さん

高橋ホイコ

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