日本民営鉄道協会が「駅と電車内のマナーに関するアンケート」と題して、電車を利用する人々が「迷惑」と感じていることを調査。2676人から寄せられた集計結果を公表しました。

迷惑行為トップは「座席の座り方」、10年ぶりに1位に

この調査は日本民営鉄道協会が毎年実施しているもので、2019年の調査では、迷惑行為の総合ランキングで第1位に「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」が選ばれました。得票率は41.3%と非常に高く、多くの人が迷惑だと感じているようですね。
第2位には「乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)」がランクインし、第3位には「荷物の持ち方・置き方」、そして「スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等)」「騒々しい会話・はしゃぎまわり」「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」と続きました。

詳しく見ていくと、第1位の「座席の座り方」では、「座席を詰めて座らない」ことを迷惑に感じる人が61.2%と最も多く、「間を広く取る」「荷物を置く」「足を広げる」といった行為も迷惑と感じているそうです。

また、乗降時には半数以上の人が「(車内の)扉付近から動かない(乗降を妨げる、奥に詰めない等)」ことを迷惑に感じているそうで、割り込んで乗車するなど「降りる人を待たずに乗り込む」が挙げられました。
荷物の持ち方・置き方では背負ったままのリュックサック、肩にかけたショルダーバッグなどを迷惑に感じている人が約7割を占め、過半数以上の票を集めています。


昨年の第6位から第4位に浮上したのが「スマートフォン」に関する項目。迷惑に感じる行為として「歩きながらの使用」が一番多く、「混雑した車内での使用」「乗降しながらの使用」が続きました。

「おしゃべりがうるさい」「せきやくしゃみ」男女による違いも
アンケート結果を男女別にみると、第1位にはどちらも「座席の座り方」が選ばれています。そのほかの項目や順位には違いが見られ、男性は「騒々しい会話・はしゃぎまわり」が迷惑行為の上位に入っているのに対し、女性では「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」が上位に入りました。

駅や電車内でのマナーについて、以前に比べて改善されたかという項目には、「変わらない」と回答した方が44.3%と最も多く、次いで「やや改善された(23.4%)」「やや悪化した(13.7%)と続きました。
一方で、「うれしかった」「心が温まった」と感じた行為として、「乗降の際、ベビーカーを運ぶのを手伝ってくれた」や、「子どもが妊婦の方に席を譲っていた」などの回答が寄せられました。

公共交通機関は日々多くの人が利用している身近な存在。それゆえにマナーが気になり、迷惑な場面に出会うことも少なくないはず。全員がしっかり詰めて座っていれば座れそうなのに、隣に荷物を置いていたり、大股開きで座られていたりするとやっぱりイラッとする機会も多いかもしれません。他人だけでなく、自身もマナーに気をつけて利用したいですね。
(大泉勝彦)


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