自宅で合成麻薬MDMAなどを所持していたとして、麻薬取締法違反の罪で起訴された俳優の沢尻エリカ被告の初公判が1月31日に東京地裁で行われ、検察は懲役1年6カ月を求刑。沢尻被告は事実関係を全面的に認めました。判決公判は2月6日の予定です。

傍聴券の抽選には一般傍聴席19席に対し2200人以上の希望者が集まるなど注目度の高い公判で、黒のパンツスーツに黒髪をまとめたポニーテール、赤いルージュで入廷した沢尻被告。人定質問には落ち着いた様子で「沢尻エリカと申します」としっかりした口調で答え、職業については“無職”と回答。起訴内容については「間違いありません」と認め、重ねて聞かれても「はい」とはっきりとした口調で答えました。
検察側の冒頭陳述では、19歳のときから大麻やコカイン、LSDなどを知人から入手し使用していたことや、逮捕時の捜索では被告自らが薬物の場所を話したこと、大麻は知人女性、MDMAとLSDは知人男性からもらったことなどが明らかにされました。
公判の前日には被告の所属事務所が、(被告は)起訴以降、医療施設で治療などに励んでいることを報告していましたが、情状証人として登場した主治医は、LSDとMDMAについては精神的にも肉体的にも依存は認められないとした上で、「(被告は)撮影に入ったとき以外は大麻を“使いたい”という思いで使っていた。使っているうちに量が増え、ある意味コントロールを失っていた。大麻については軽度の依存症といえるが身体依存はない」と証言。脳の画像や精神検査で異常所見はなく、遠くないうちに退院させる予定で、今後は月1回の通院(外来)を考えているとしました。
また、所属事務所の専務取締役からは「今回の事件に対して、マネジメントの代表として深くおわびいたします。女優業は多くの人が関わるもので、今回の事件は本人の身勝手なものであり、当社としても再発防止に取り組みます」とした上で、被告は入院中、危険薬物について学習していたこと、携帯電話を解約したことなどが更生への強い意識の表れではないかと話し、「彼女の作品をもう一度見てみたい」という言葉もありました。
一方で、情状証人として被告の兄は、「僕が同居し監督し、更生に向けてサポートしていきたい。今までの仕事をそのまま続けていくのは難しいし、本人も考えていない。仕事は僕の方でサポートできればと思っている」と更生に向けた指導監督体制について語っています。
それらの後、被告人質問や最終陳述では、本人の口から、関係者に多大な迷惑をかけたこと、経済的にも大きな損害を与えたこと、家族につらい思いをさせたことへの反省の弁が語られました。加えて、「ファンの皆様にも、このような形で裏切ってしまったことを、本当に深くおわび申しあげます」とファンに向けた言葉も出ましたが、「多くの方を傷つけた代償は計り知れず、女優に復帰できることではないと思っています」と女優復帰は考えていないとして、「違法薬物とは決別して生きていきたい」という思いを語りました。
逮捕され多くを失って初めて気が付いたこと。薬物をコントロールできると思っていたし、いつでもやめられると思っていました。それは大きな間違いでした。偽りの友情から抜け出すことができず、非生産的な時間からは何も生まれることがなく、全て幻でした。全てが害だった。心の底から後悔しています。
自分の甘さが招いた結果。後悔してもしきれない気持ちでいっぱいです。全力で更生していくことが、しっかりと罪の重さを自覚して反省していくことが、自分にできる唯一の償い。二度とこのようなことを起こさないように必ず立ち直っていきたいと思っています。(沢尻被告の最終陳述から)
沢尻被告が警視庁に逮捕されたのは2019年11月16日。逮捕後の取り調べでは「違法薬物を10年以上前から使っていた」などと供述し、12月6日に保釈された際には、「多くの方々を裏切ってしまったことを心の底から後悔しております」とのコメントを事務所を通じて発表したのみでした。

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