ねとらぼ
2020/02/29 13:00(公開)

圧倒的不審者の工房:チョコを超音波洗浄して包丁を作る → おそらく世界一堅いチョコレート包丁が完成

切れ味良すぎてプレゼントには不向き。

 どんなものでも包丁にしてしまうYouTuber・圧倒的不審者の極み!さんが、バレンタインデーから遅れること2日、2月16日にチョコレートから包丁を作る動画を公開しました。おそらく世界一堅いチョコレートを業務用の超音波洗浄器などを使って作ります。

チョコレート包丁

チョコレートが包丁になったよ!


 2017年のバレンタインデーには“呪いのわら人形チョコセット”を作り、2018年にはチョコの包丁を作りていねいにプレゼント包装し、2019年にはチョコレート製のギロチン台を制作しました。例年、ヤンデレ気味の圧倒的不審者の極み!さんのバレンタインデーですが、2020年も少々病みぎみです。

 さて、包丁の材料はカカオ豆。通常のチョコレートを作るのと同じように、カカオ豆を焙煎(ばいせん)し、皮をむいて、すりつぶし、砂糖を入れます。通常と異なるのはここから先の工程。業務用の超音波洗浄器を使って堅い成分のみを取り出すのです。どんなふうに包丁ができたのか細かく見ていきましょう。

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カカオ豆を焙煎し、皮をむく

 カカオ豆を焙煎し、皮をむきます。いつもながらに機材が豊富。皮むき器具や、マキタのブロワなどを駆使して作業を進めます。

カカオ豆
カカオ豆をフライパンで焙煎

まずは、カカオ豆を焙煎します


カップに取っ手がついた謎器具

この器具はなんだ?


カカオ豆を謎器具に入れる
謎器具の取っ手を握る

カカオ豆を器具に入れて、取っ手を握ります


カカオ豆の皮がむけた

皮がむけました!


マキタの充電式ブロワ
ブロワでカカオ豆の薄皮を飛ばす

ブロワで薄い皮を飛ばしちゃいます


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カカオ豆を砕く

 砕く作業でも、普通のご家庭とは違った器具力を発揮します。先がゴツゴツした乳棒とステンレス製の乳鉢で粗く砕き、その後はミンチマシンで細かくします。ミンチマシンに2回通したあとおよそ50度まで加熱。さらにミンチマシンに2回通すと、滑らかなチョコレートになります。

乳棒の先端がギザギザしている
乳鉢でカカオ豆を砕く

乳鉢でカカオ豆を粗く砕きます


ミンチマシンにカカオ豆を入れる
チョコのようなものが出てきた

ミンチマシンでチョコを砕きます


ふたたびミンチマシンに入れる
さらになめらかなチョコが出てくる

もう一度ミンチすると滑らかなチョコに


取れたチョコ
温度計が48.8度を示している

完成したチョコをおよそ50度にあたためます


チョコレートをミンチマシンに入れる
チョコがミンチマシンから出てくるところ

あたためたチョコをあと2回ミンチマシンに通します


棒でチョコレートをすくい上げる

滑らかなチョコになりました


 このままでは甘くないので、砂糖を入れます。グラニュー糖を電動ミルで粉砂糖にして、粉砂糖をふるい入れます。

スティックシュガー
ミルサーで挽きます

電動ミルでグラニュー糖を粉砂糖にします


粉砂糖になったところ
粉砂糖をチョコにふるい入れる

できた粉砂糖をチョコにふるい入れます


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チョコレートの型を作る

 ここで3D CADが登場します。チョコレートの型を自作するようです。3Dプリンタで印刷して、できた造形物を使ってシリコン型を作ります。チョコレートの型だけでなく、小さな顔の型も作っていますが、これは何に使うんだろう……。

スティックシュガー
ミルサーで挽きます

3Dプリンタで板チョコのような形を作ります


顔型の造形物
板チョコ型の造形物

顔と板チョコの形ができました


UVレジン
UVレジンを塗るところ

UVレジンを表面に塗ります


ホットエアガンでレジンを乾かす
ジェルネイル用の紫外線ライト

ホットエアガンや紫外線ライトでレジンを硬化させます


レジンでつやつやになった板チョコの型

ツヤっツヤになりました


リカちゃん人形が箱の上に座っている

突然に登場するリカちゃん


リカちゃんの靴を脱がせるところ
リカちゃんの足から糸が出てきました

リカちゃんの足から糸が出てきました


糸で粘土を切るところ

粘土を切りたかっただけみたいです


棒の横にカラフルなわっかがついた麺棒のような器具
わっかには1/16インチなどサイズが書いてあります

再び謎器具登場 1/8インチを選びます


麺棒を机に置き横からみたところ
粘土を麺棒でのばします

1/8インチ(3.81ミリ)の厚さにできる麺棒なんですね


粘土で板チョコ型を囲む
粘土で板チョコ型が囲まれました

粘土とブロックで、板チョコ型を囲みます


型にシリコンを流し込んだところ
固まったシリコンを取り出すところ

型にシリコンを流し込み、固まれば完成です


板チョコ形のシリコン型

シリコン製の型が出来上がりました


シリコンカップに粘土を入れ、顔の型を入れる
シリコンカップにシリコンを流し込む

顔の型も作ります


超音波洗浄器でチョコを堅くする

 先ほど手作りしたチョコレート。もちろん、普通に固めても柔らかすぎて包丁にはなりません。そこで登場するのが業務用の超音波洗浄器。この器具にさきほどのチョコをかけると、そこに堅くなる成分が沈殿するようです。

シリコンカップに粘土を入れ、顔の型を入れる
温度計が25.1度を示す

チョコレートをおいしくする作業・テンパリングを行います まずは保冷剤をあてて25度前後まで冷やします


顔の型にチョコを入れる
型からチョコを取り出す

顔型のチョコを作ってみましょう


顔型のチョコレート

顔型のチョコレートができました…ちょっと怖いです


顔型のチョコレートの硬度は31.5
額に穴が空いたチョコ

このチョコでは硬度31.5ほど 柔らかすぎます


撹拌マシン
目をつままれたチョコ

かくはんマシンで水にチョコを溶かします


顔チョコがビーカーをぐるぐる回る様子
チョコレート水溶液

チョコが水に溶けました


超音波洗浄器
超音波洗浄器をサーモグラフィーで撮った写真

超音波洗浄器登場です ヒーターもついていてあたためられます


ボロボロになったアルミホイル
分離したマヨネーズ

この装置を使うと、アルミホイルはボロボロに、マヨネーズは分離しました


超音波洗浄器にチョコを入れる
分離したチョコレート

チョコを超音波洗浄すると、底にどろっとしたものがたまりました


おそらく世界一堅いチョコレートを作る

 超音波洗浄したチョコレートから堅いチョコレートを作ります。フライパンでさきほどの沈殿していたチョコを加熱し、粘土を調整したものを感想させると、非常に硬いチョコレートがついに完成。素材が完成すれば先が見えてくる……いよいよ包丁に加工します。

フライパンにチョコを入れるところ
フライパンで加熱したところ

どろっとしたものをフライパンで加熱します


挽いたコーヒーのようになる
上澄み液を入れる

コーヒーのような黒い粉になりました チョコの上澄み液を加え粘度を調節


黒いチョコができました

黒いとろっとしたものが出来上がりました


チョコを顔型に入れる
堅い顔型チョコができた

堅い顔型チョコを作ります


チョコの硬度は96.5

硬度は96.5 これなら包丁になりそうです


板チョコ型にチョコを入れる
電動マッサージ器で振動させて均等に

型に入れて固めます


堅い板チョコ

おそらく世界一堅い板チョコができました


糸ノコで板チョコを切る
チョコを削る

チョコを包丁型に切り出し、削って形を整えます


糸ノコで板チョコを切る
チョコを削る

研いで…研いで…


チョコの包丁

チョコレートの包丁ができた!


 完成した包丁の切れ味はいかがでしょう。きゅうりを試し切りしてみるとよく切れます。切れるのですが、きゅうりにチョコレートがついてしまいました。この包丁は溶けるようです。

チョコの包丁でキュウリを切るところ

きゅうりで切れ味を確かめます


チョコがついたキュウリ

よく切れてますが、チョコがついちゃってます


 このあと動画では、途中に登場した人形を使った、少しだけホラーな演出があります。バレンタインですので。

 今回もたくさんの道具が登場し「ここから始めるのか…」のオンパードでした。しかし、動画の概要欄には「カカオ豆は購入しました。手抜きですみません」と書かれています。これに対し「手抜きとは……」「カカオ豆から作るつもりだったの?」などのコメントが寄せられています。

 なお、圧倒的不審者の極み!さんはバレンタインデーにTwitterで「チョコレートが爆発した」となげいていました。動画をよくみると、途中から壁にチョコレートが張り付いているような……。

どうしてこうなった

画像提供:圧倒的不審者の極み!さん

高橋ホイコ

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