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新車がデビューすると、見慣れた車両が転属や引退の憂き目にあうのが鉄道の世界です。
JRグループ以外の大手私鉄で最長の営業距離を誇る近畿日本鉄道(近鉄)に、2020年3月14日のダイヤ改正で期待の新型特急「ひのとり」がデビューします(関連記事)。「ひのとり」は大阪難波と近鉄名古屋を約2時間で結びつつ、とても豪華な車内・質のよい座席ながら意外と安く乗れる特急として大きく注目されています。

そんな華々しい「ひのとり」のデビューの裏で、2020年度に引退を迎えることになった車両もあります。それが今回紹介する「近鉄12200系電車(以下、12200系)」です。
12200系は1969年に登場し、「新スナックカー」の愛称で親しまれた特急車。2階建て車両の「ビスタカー」や近鉄のシンボル「アーバンライナー」のように目立つ車両ではありませんでしたが、縁の下の力持ちとして近鉄特急を支えてきました。
今回はそんな12200系に惜別の情を込めて、あらためて12200系に“狙って”乗車してきました。
約40年に渡り近鉄特急を支えた12200系
12200系は特急車12000系の後継車として1969(昭和44)年にデビューしました。製造当初は12000系と同じく軽食などを提供するスナックコーナーが設けられたことから「新スナックカー」という愛称で親しまれました。後にスナックコーナーは廃止され、12221編成以降は”スナックコーナー”なしで増備されています。

12200系がデビューし、活躍した1960年後半から1970年代は、鳥羽線(宇治山田〜鳥羽)、難波線(大阪上本町〜大阪難波)の開業や大阪線の新青山トンネル完成に伴う複線化などにより、近鉄特急のネットワークが拡大した時代です。そのため12200系は8年に渡って合計168両が製造され、以来、縁の下の力持ちとして近鉄特急を支えてきました。
しかし、2000年ごろから本格的な廃車・置き換えが進みます。そして2020年3月の新型近鉄特急80000系「ひのとり」のデビューに伴う車両転属の結果、12200系は2020年度末までに引退することが決まりました。
では、実際に乗車してみましょう!
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