猫の思いや希望を聞き、それに添った柄・色を“塗る”職人さんの漫画『猫塗り屋』のコミックスが4月17日に発売されます。一見びっくりするようなユニークな世界観ですが、描かれているのは全猫に幸せになってほしいという猫への愛情です。

猫塗り屋さんの仕事を通して描かれる猫への愛
書籍化おめでとうございます!
作者は、Twitterで人気を集め書籍化もされた漫画『ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話』の清水めりぃ(@zatta_shimizu)さん。こちらは起きたら猫になっていた会社員・モフ田くんが主人公のお話で、今回の『猫塗り屋』は同一世界での物語。どちらもTwitterとpixivで連載され、ファンタジーな設定、癒やされる展開が特徴です。

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ついに書籍化!

読者が気になっていたお話が描き下ろしで収録されています

主人公の「猫塗り屋さん(お姉さん)」は、彼女のことをママと呼ぶ愛猫「りん」と一緒に暮らしながら、さまざまな猫の依頼を受ける“猫塗り屋”を営業しています。
2018年6月に公開され、単行本ではフルカラーで新たに描き直されている第1話は、りんが「ロシアンブルーになりたい」と言ってママにお願いするお話。いつも三毛柄だと「飽きられて捨てられちゃうかも…」と心配するりんに、猫塗り屋さんは「はいはい。わかりました」と言いつつ、いつもと同じ三毛柄に塗ります。注文と違う柄に鏡を見て怒るりんでしたが……?


いつもの三毛柄に塗られてしまい怒る「りんちゃ(※猫塗り屋さんがりんを呼ぶ時の呼び名)」でしたが……
この世界では猫がしゃべり、猫たちの希望を直接聞くことができますが、猫塗り屋さんはただ要求をのんで塗るだけではありません。猫のセラピストである猫塗り屋は、その願いから彼・彼女らの気持ちをくみ、心に寄り添った塗りの提案をします。
りんを変わらずステキな三毛柄に塗ったのも、同じ柄だからという理由で飽きることは決してない、と伝えるのがりんのためだと思ったからでしょう。ママの説明に安心してうれしそうなりんちゃんの姿に、たまらなくほっこりする……!

最後にはママの言葉に安心するりんちゃ。また明日も「三毛柄に」とお願いします
そして、ときには“塗り直す”以外のお世話も。第4話では、透明になってしまった野良猫さんが猫塗り屋を訪ねてきます。生まれつきの“怖い顔”が原因で捨てられ、野良になってもいじめられたことから“透明”になることを願った野良猫さん。
しかし、「猫生で一度で良いから誰かに愛されたいと…ほんの少し、願ってしまいました…」と涙ながらに語り、誰かに愛される柄を塗ってほしいとお願いします。

かわいい柄に生まれたかったと話す野良猫さんに、やさしく思いを伝える猫塗り屋さん(第4話)
しかし、ここでも猫塗り屋さんは大きく塗り直すことはしませんでした。猫塗り屋について「今より少しだけ愛される手伝いをする仕事」だと話す彼女は、怖いと言われた野良猫さんの「般若顔」を見えるようにしつつ、その“猫の個性”を愛してくれる人のもとに連れて行くのです。「どんな色でも どんな柄でも、生まれも育ちも関係なく 猫ちゃは愛されて然るべきです」と話す猫塗り屋さん。同意すると同時に胸が熱くなる……。

猫塗り屋を訪れる猫さんたちの願いは「誰かに愛されること」
ちなみに気になる設定や用語については作中で少しずつ明かされ、読み進めるたびに世界観に引き込まれる展開となっています。さらにコミックスでは第1話のフルカラー化に加え、気になる「猫塗り屋さんとりんちゃの出会い」編が描き下ろしで収録されており、一気読みすることでより「猫塗り屋」の世界を堪能できそうです。

気になる絵具は安心安全の猫専用です(第8話「猫塗り屋さんと三毛男さん(前半)」より)

“猫権”がある世界(第8話「猫塗り屋さんと三毛男さん(後半)」より)
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