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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

横須賀線から東海道本線を経由して、総武本線に直通しているE217系電車。
夜8時過ぎの横浜駅10番線ホームで、上り列車を待っていると、ときどきやって来るのが、「佐倉(さくら)」行の列車です。
総武本線から成田線が分岐する佐倉は昔、機関区が置かれ、千葉の鉄道の要でした。
いまも駅構内は広く、横須賀・総武快速線用電車の“ねぐら”の1つとなっています。

佐倉のもう1つの玄関・京成佐倉駅前には、「かけっこの像」があります。
この地で練習を重ねた元・マラソンランナーの有森裕子さんは、いまから24年前の平成8(1996)年7月、アトランタ五輪で銅メダルを獲得し、2大会連続のメダリストとなりました。
ゴール後のインタビューで有森さんは、「初めて、自分で自分を褒めたいと思います」と語り、その年の新語・流行語大賞に選ばれ、いまもなお、記憶される言葉となりました。
(参考)ユーキャン新語・流行語大賞ホームページ、新聞各紙ほか

以来、自分を褒める、自己肯定へのハードルが、グッと下がったように私は感じます。
たとえ有森さんほどの努力ではなくても、いつもより少し頑張ったとき、さらには、いつもよりプチ贅沢をしたいときにも、「自分へのご褒美♪」という言葉を重宝するようになりました。
そんな時代の空気感を見事に捉えた、横浜駅弁「崎陽軒」の新作、「私にご褒美4種のシウマイ膳」(980円)が、8月16日までの期間限定で登場しています。

【おしながき】
- 白飯(梅胡麻)
- 昔ながらのシウマイ
- 一口サイズのえびシウマイ
- 一口サイズのかにシウマイ
- 一口サイズの黒豚シウマイ
- 有頭海老の甘酢漬け
- 荒銀サーモンとほうれん草のごま和え
- 筍煮
- 玉子焼き
- 蒲鉾
- 浅漬け風三色彩り漬け
- 粒あん入りスイートポテト

なかでも、食べ比べながら、じっくりと味わいたいのが、4種のシウマイ!
新たに一口サイズのものが開発されたズワイガニの旨味豊かな「かにシウマイ」、良質な脂の旨みが特長の「黒豚シウマイ」に加え、2018年に期間限定で販売された「えびシウマイ弁当」以来の登場となる一口サイズの「えびシウマイ」はプリッとした食感が味わえます。
「昔ながらのシウマイ」との食感の違いを感じるのが、とても楽しいひとときです。

全体ではご飯少なめ、おかずの種類多め、女の人が喜びそうなイマドキの駅弁。
崎陽軒によると、実際、「女性にうれしい内容のお弁当」として開発が始まったとのこと。
出汁の効いた甘酢でさっぱり仕上げた「有頭海老の甘酢漬け」、「荒銀サーモンとほうれん草のごま和え」、「粒あん入りスイートポテト」など、ひと手間掛けた贅沢感が嬉しいもの。
男女共にデザートの余韻まで心地いい、プチ贅沢気分いっぱいの弁当です。

“新作”といえば、横須賀線のE217系電車に代わって投入が予定されているE235系電車も、この夏、来たるデビューの日に向けて試運転が行われています。
近未来感のある外観と、伝統の青と白の“横須賀色”の帯に時代の変わり目を感じます。
自分自身を厳しく律することが求められる最近の“自粛生活”ですが、ときには息抜きに、美味しいものをいただいて、「自分で自分を褒め」てみてはいかがでしょうか。
連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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