忙しい朝の時間にお弁当を作ってくれるお母さん、だけど中身は“白米だけ”で……。母の「白米弁当」を見られたくない学生と、彼を取り巻く友人たちの爽やかな友情がまぶしい漫画「人に見られたくないモノの話」を紹介します。まぶしすぎて直視できない……。

同じクラスの男子高校生4人組。午前の授業を終え、待ちに待った昼食タイムがやってきました。ところが、そのうち1人はバツが悪そうな表情です。
「キョ―ちゃん!」「メシ行くぞ!」。キョーちゃんと呼ばれた彼は、弁当を片手に「ちょっと野暮用が……」と教室を出て行ってしまいました。


キョーちゃんが向かったのは、人気のない階段でした。弁当の蓋を開けると、そこには真っ白なごはんだけがギュウギュウに詰まっています。
彼の“母ちゃん”は朝から仕事で忙しく、たまに弁当を持たせても、この“白米弁当”か食パンの2パターンのみ。クラスメイトに笑われて以来、彼にとって弁当は「人に見られたくないモノ」になったのです。
その気持ちは仲良し4人組に対しても例外ではありません。やむをえずか、はたまた「こいつらなら……」という思いがあったのか、キョーちゃんは以前、彼らに白米弁当を見せたことがありました。
しかし反応はいつも通り。「お前の弁当スゴくね!?」「米だけ?」「大胆すぎだろ!」と弁当を指さし騒ぐ友人たち。彼らに悪気が無いことは知りつつも、受け入れがたいものがあったのでしょう。それは恥ずかしさというよりも、自分のために弁当を用意してくれた母親がバカにされたような気持ち、優しさから来る拒否反応だったのかもしれません。

「…味しない…」。友人と母親への気まずさから、ただでさえおかずの無い弁当が、余計に味気なく感じてしまいます。すると階下から騒がしい声が……。
「キョーちゃん発見!」「こんなトコで食ってんのかよ!」声の主は、わざわざ彼を探しに来た友人たちでした。

「オレらも白米弁当だから」。そう言って友人たちが取り出したのは、学校を抜け出して買ってきたというおかずの唐揚げ。「みんなで食うべ」とキョーちゃんの隣に自分たちも弁当を広げます。
唐揚げをほおばり「うまーっ!」と叫ぶキョーちゃん。さっきまで味がしなかった白米も、ずっとおいしく感じられたことでしょう。
「弁当」という端から見ればくだらないテーマが大きなコンプレックスになってしまうあの感じ、母親と友人を思う思春期らしい未成熟な優しさ、精いっぱい考えた結果であろう「唐揚げ」という体育会系のソリューション――。全ての要素が瑞々しく爽やかで、胸がいっぱいになります。
作者は岡部アズサ(@aztmge)さん。Twitterにて短編漫画を投稿しています。
画像提供:岡部アズサ(@aztmge)さん
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