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昭和時代に生まれた電車は本当に少なくなりました。

「あのとき自分が乗った電車はもうないのか」と少ししんみりします。でも、かつて都市部の通勤電車として活躍しつつ、まだ現役として十分使える当時の頑丈な車両は、別の鉄道会社(あるいは別の国)でまた走ることも多くあります。地方では大手鉄道会社で走っていた車両がたくさん活躍しています。
2020年8月、近江鉄道にさわやかな水色の“新型車両”がデビューしました。こちらは西武鉄道の通勤電車として活躍した「黄色い電車」を生まれ変わらせた車両です。
今回は関東・西武沿線住みの昭和な方が多分「再会」しに行きたくなりそうな、滋賀県を走る「近江鉄道」の旅に出てみましょう。
首都圏からのアクセスもよい近江鉄道 “元”西武鉄道の車両がたくさん運行
近江鉄道は琵琶湖の東岸を走る路線で、総延長は約59.5キロ。米原駅〜貴生川駅の本線、高宮駅〜多賀大社前駅の多賀線、八日市駅〜近江八幡駅の八日市線を有しています。

2013年3月から路線を4区間に分け、それぞれに愛称が付けられました。何線を使えばどこへ行けるか、地理感のない人でも分かりやすくなっています。
- 彦根・多賀大社線:米原駅〜多賀大社前駅
- 湖東近江路線:高宮駅〜八日市駅
- 万葉あかね線:八日市駅〜近江八幡駅
- 水口・蒲生野線:八日市駅〜貴生川駅
米原駅で「東海道新幹線」と「JR琵琶湖線・東海道本線・北陸本線」、近江八幡駅と彦根駅で「JR琵琶湖線」、貴生川駅で「JR草津線」と「信楽高原鐡道」に接続しています。米原駅で東海道新幹線と接続しているので、首都圏からのアクセスも楽です。東京駅から約2時間30分で近江鉄道に乗車できます。

近江鉄道は湖東平野を走り、田園風景と里山の懐かしい風景が大きな魅力の路線です。
ちなみに、琵琶湖はかなり離れているのでまったく見られません。琵琶湖の景色を楽しむならば、琵琶湖の西岸を走るJR湖西線(関連記事)などに乗るとよいでしょう。
このほか、車内からよく見えるのは東海道新幹線(!)。同じ鉄道車両なのに、こちらはのんびり、東海道新幹線は矢のようにビューンと通過していきます。本線の高宮駅〜五箇荘駅間では東海道新幹線と競争したりもします(もちろん東海道新幹線の圧勝ですが)。

始発駅の近江八幡駅で、埼玉県所沢市が拠点である「埼玉西武ライオンズ」のロゴが入った駅名標を見かけました。
「なぜ滋賀県なのにライオンズ?」と思うかもしれません。実は、近江鉄道は西武グループの一員。西武グループの創業者で西武鉄道の初代社長である堤康次郎氏は滋賀県愛荘町出身です。「滋賀は西武発祥の地」と大切に思い、地元に貢献しています。近江鉄道に元西武車が多いのも納得です。
懐かしの赤色とベージュ色を組み合わせた「懐かし」の昭和な西武鉄道と近江鉄道の塗装を再現した車両もあります。昭和時代を知る鉄道ファンはこの辺りも見逃さないようにしたいところです。



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