終電間際の運転見合わせにより、駅で立ち往生……。「一体どうなるんだ」「でも仕方ない/どうしようもない」──ホームで疲れ、うなだれる人が続出する中、即興で生演奏を披露した音楽家の機転が「映画や外国のようだ」「めっちゃドラマチック」「カッコ良すぎる……!」と話題となっています。

「楽器持って立ったらそれはもうどこだってステージってわけハイ最高」
日曜日の深夜、終電間際で日付も変わった2020年9月14日の0時30分頃、小田急小田原線で人身事故が発生し、一部区間が運転見合わせになりました。
小田急線の起点、新宿駅では終電で帰ろうとしていた多くの人が1時間半以上足止めとなり、駅のホームは暗い雰囲気に。途方に暮れてホームに座り込んでしまった人もたくさんいました。
そんな中「サックス奏者の為すべきことは唯一つ」と、同様にその場に居合わせたサックス奏者の奥野祐樹(@ojisax)さんと太田大地(@daisax226)さんが即興で生演奏を披露。暗かったホームの雰囲気をパァァと和ませました。音楽の力、すごい!
「午前2時人身事故で止まった小田急終電ホームでうなだれる乗客のみなさん」「サックス奏者のなすべきことはただ一つ」
奥野さんは演奏会のリハーサルを終えてメンバーと新宿で焼肉を食べていたところ、この状況に遭遇。即興で「情熱大陸」「ルパン三世のテーマ」「香水」など、おなじみの曲を太田さんと二重奏で演奏しました。
「多くの人が座り込んでいて、ホームに微妙な空気が流れていました。多少酔いの勢いもあり楽器を出したところ、『ぜひ何かやってください』の声をたくさん頂きました」(奥野さん)

まるで外国のような、映画のような、とっさの機転で行われた即興の生演奏に対し、ネットでは「音楽って素敵」「粋すぎる」「外国みたいなノリが良い」「これぞ音楽家!」などと大絶賛。
その場にいた人からも「重かった場の空気が音楽によって明るくなった」「気分良く電車待てたし、何よりあんな素敵な演奏ただで聴けてしまうなんて感謝通り越してお金払いたい」などの投稿が相次ぎました。一部に迷惑だなどの否定的な意見もあったそうですが、演奏を止めなかった小田急電鉄に対しても好意的な意見が多く寄せられていました。
小田急電鉄からも感謝のメッセージカードが手渡されたそうです。

「音楽家らしい事を久々にできました。音楽最高!」
奥野さんはサクソフォンの四重奏団「Adam」のバリトンサックス奏者で、プロに相談しながら楽器を選べる選定楽器販売サービス「MOUTON STORE」も運営。音楽とともに生活をしている奥野さんならではの場の和ませかたで、暗いホームも明るい雰囲気に変えることができたのではないでしょうか。音楽の力って本当にすごいですね。
「日常のふとした瞬間に音楽が寄り添うことによって、人間の気持ちがガラッと変わることをより強く感じてもらえたらなあと思っています! 音楽は最高です」(奥野さん)
画像提供:奥野祐樹(@ojisax)さん
(大泉勝彦)



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