ねとらぼ読者から自宅で起こった危険な出来事を伺う企画「うっかりおうちで死にかけた」。今回は「プール代わりのお風呂で弟と遊んでいたら……」というお話をひろ。さん(@poopuuteepii)に伺いました。
「ぬれた浴槽はどんなに手足を使ってもずるずる滑るばかり」

自分が4歳、弟が1歳くらいだった夏のある日、母が水遊びを兼ねてお風呂にぬるま湯を入れてくれました。
―― あ、楽しそう……だけど、そういう体験談の企画ではないんですよねこれ。
自分がけっこうしっかり者だったので母も安心していたと思うのですが、空の浴槽に2人を入れてからぬるま湯を注ぎはじめ、その場を離れました。数分後には戻るつもりだったのでしょう。
3センチほどたまったぬるま湯にテンションが上がる弟、バシャバシャとはしゃぐのを微笑んで見ていた……ところまではよかったのですが。
弟が楽しそうに抱きついてきたんです。ぬれた浴槽に背がずるりと滑って転倒し、自分はあおむけ。その上に弟が乗っかる形になりました。
自分は体重身長ともに小柄なタイプなのですが、通常であれば容易に体勢が戻せたと思います。
ですが、ぬれた浴槽はどんなに手足を使ってもずるずる滑るばかりで、一向に起き上がれません。何度どくように伝えても、まだ言葉が分からない弟はうれしそうに馬乗りにしたまま。そして、ダバダバと注がれる流水音のためか、出せる限りの声で母親を呼んでもちっとも気付いてくれません。
その間に水位は上昇していって、ついには頬あたりまでぬるま湯に浸かってしまいました。
あぁ、これ、もうだめだわ……。
自分は、たったこの年齢で死ぬのか……。
こんなしょーもないことで、溺れ死ぬなんて苦しい形で……。
いったい何のために、生まれてきたんだろう………。
まぁ、仕方ないか……。
そんな風に事態を受け止め覚悟を決めたとき、「もー何やってんのー(笑)」と突然の母親登場。ひょいと弟を動かし、また去っていきました。
どうやら、危機的な状況であったことは全く理解していないもよう。「もう少しで溺れてたんだぞ!?」という気持ちもありましたが、しっかり者の自分は言いませんでした。大きくなってから冗談っぽく話したような覚えもあるのですが、母はたぶん忘れていると思います。
―― 本人は覚えているけど、その話を聞いた側は全然……という。
自分は他にも離岸流に流されたり交通事故にあったりと何度か死を覚悟した経験があるんですが、そういうときって冷静になっていくので、よく覚えているものなんですよね。
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