現在、SNS上で「電車やバスのなかではベビーカーを折りたため」という意見に対して、批判の声が上がっています。ことの発端は、子ども連れの女性がバスに乗車していた際に、ベビーカーを専用座席にベルトで固定していたところ、男性に「邪魔なんだよ!畳めやこのブタ!」と怒鳴られた、という投稿とみられます。
投稿によると、当日のバスは乗客5人だけで空いていたにもかかわらず、男性はベビーカーをたたまないことについて女性に暴言を浴びせ、ベビーカーを蹴ったそうです。この出来事についてテレビ朝日が報じたことでSNS上で、批判の声が高まったとみられます。
SNS上では「バスでベビーカーは畳む必要はありません。それは『あなたは両足で立ってバスに乗っていい』くらい当然のことです。そんなことに思いやりや配慮も不要なはずです」「ベビーカーは、立って歩けない赤ちゃんの『足』みたいなもの。畳むか畳まないか、そんな議論はもう終わってほしい。そのまま電車やバスに乗れるのが当たり前になってほしいです」などの意見が寄せられています。
また、「『電車やバスの中ではベビーカーを畳め』って意見があるけど、親がひとりの場合は荷物、畳んだベビーカー、赤子を一人で抱えなければならない」「『バスでベビーカー畳まずにスマホしてる母親最悪』ってツイート見かけたんだけど、今病院の予約や、バスどこで降りたらいいかとか全部スマホに情報入ってるわけで、遊んでるわけじゃない場合も多いのでは」など、実際の状況を想像して擁護する声もありました。

国交省が決定した「ベビーカーマーク」(画像は写真ACより)
国土交通省は2013年6月、「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」を設置しました。同協議会では、公共交通機関などでベビーカーを折りたたむかどうかについては賛否両論の意見があるとしつつも、「折りたたむことを一律に求めるのは子どもの安全面で困難」として、公共交通機関でベビーカーを折りたたまずに使用できることを基本とする方針を決定しています。
さらに、2020年3月には、2人乗りベビーカー使用者から「複数の乳幼児を抱えてベビーカーを折りたたむのは困難」という声が上がっていることを受けて、乗合バス車内では2人乗りベビーカーを折りたたまずに使用できることを基本する方針も発表しました。
国交省は、ベビーカーの利用者には安全性、周囲の人には理解・配慮を呼びかけるポスターやチラシを作成。2022年版ポスターでは、周囲の人に「電車やバスでは、ベビーカーは折りたたまずに乗車することができます」「ベビーカー使用者には、温かい気持ちで接し、見守りましょう」「エレベーターがない場所での上り下り、バスの乗車時など、手助けを申し出てみましょう」と呼びかけています。

(画像は2022年版ポスターより)
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