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2022年は「女の子向けアニメーション」激動の年となりました。プリキュアとともにこの10年間「女児向けコンテンツ」を支えてきたIPが続々と縮小、路線変更しているのです。

kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
2022年10月9日、テレビアニメ「ワッチャプリマジ!」が最終回を迎え、「プリティーリズム」「プリパラ」「キラッとプリ☆チャン」など11年半続いていた「プリティーシリーズ」のアニメがいったん休止となりました(アーケード筐体は「ワッチャプリマジ!スタジオ」としてまだ続きます)。

同様に「アイカツ!シリーズ」も、2021年に「アイカツプラネット!」でテレビ放送は休止、各地の「アイカツ!」オフィシャルショップも閉店となり、アーケードゲーム筐体「データカードダス アイカツプラネット!」は2022年10月20日稼働のユニットステージ3弾をもって終了することが発表となりました。

また、2017年から5年間続いてきた女の子向け特撮「ガールズ×戦士」シリーズは、6月に「ビッ友×戦士キラメキパワーズ!」が終了し、男の子も対象とするダンスドラマ「リズスタ-Top of Artists!-」に路線変更しました。

さらに「おねがいマイメロディ」「ジュエルペット」「リルリルフェアリル」と続いてきたサンリオのアニメシリーズも2022年3月「ミュークルドリーミーみっくす!」の終了とともに、いったん休止となりました。
2022年は「女の子向けコンテンツ」の地殻変動が起きているのです。

新型コロナの影響?
この女の子向けの各IPの縮小、路線変更には2020年以降の新型コロナの影響も大きいと思われます。特に「アイカツ!」「プリティーシリーズ」は、基盤となっていたのが「アーケード筐体によるカード類の売り上げ」であったため、その影響は計り知れないものがあったと思われます。

例えば、「アイカツ!」シリーズは、2013年〜2015年の一大ブーム時にはプリキュアをも上回る100億円を超える売り上げがありました。その大ブームが落ち着いた2016年以降も30億〜50億円程度の安定した売り上げだったものが、コロナ禍以降2020年からは20億円を下回る苦戦が続いています。
同様に「ワッチャプリマジ」「ガールズ×戦士」を擁するタカラトミーの決算数字を見てみると、こちらは個別IPの数字は出ていませんが、ファッショントイ(リカちゃん、ガールズホビー、ガールズキャラクター)の数字で、コロナ禍以降落ち込んでいることが分かります。

コロナ禍以降、「イベントの休止」や「アミューズメント施設に親子で足を運ぶ」という行為自体が縮小していき、次第に売り上げも落ちてしまったようです。
少子化も加速している
さらに少子化も加速しています。2021年の出生数は81万2000人と1899年の調査開始以来で過去最少を更新しました。15年前と比較して、28万1000人(25.7%)も出生数が減っています。

仮に子ども1人あたり1年で1万円分の玩具、関連商品の購入をしているとして、15年前と比較しても28万人×1万円=28億円もの市場が1年ごとに縮小していくのです。その傾向はこの先も加速していくものと思われます。
市場は少子化により縮小し続けており、それがコロナ禍で加速したことで女の子向けコンテンツは路線を変えざるを得ない状況になってきたものと思われます。
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