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あるコンサートの会場に掲示された、「本公演では演奏中に大豆を使用する作品があります」との注意書きがTwitterで注目を集めています。大豆で演奏とはどういうことなのか、取材して詳細を聞きました。

コンサートを主催するCabinet of CuriositiesのFacebookより、演奏についての注意喚起。大豆アレルギーの人が後列に下がらなければならない演奏ってどんなだ……?
「衝撃的」「節分にはまだ早いが?」「この注意書きだけで行きたくなった」と話題を呼んだコンサートは、12月24日・25日に開催された現代音楽フェス「Cabinet of Curiosities 2022」。注意書きには「大豆アレルギーのお客様は客席後方にお座り頂きますよう〜」との記述もあり、「まさか音楽でアレルギー注意があるなんて」と不思議がられていました。

主催の「Cabinet of Curiosities」によると、フェスの初日は「New Performative Music」と題し、パフォーマンスに焦点を置いた作品をプログラミングしたとのこと。それで演目の1つに選ばれたのが、大豆を用いた「Dro」という曲だったわけです。
「Dro」はスウェーデン在住の作曲家にして指揮者、宗像礼さんの作品で、バイオリンを含む4人のパフォーマーが奏でる音楽。なんと“大豆のパート”があり、大豆をバスドラムにぶちまけて音を鳴らすのです。楽譜にちゃんと大豆をまく指示がイラスト入りで描いてある……!

「Dro」の楽譜(一部抜粋) (C)宗像礼

この曲を演目に選んだ理由について、「通常の楽器以外の非楽器を扱う点や演劇的な所作など、単にパフォーマンス要素が多い点だけでなく、音響や構成も含めて音楽的にとても興味深く、選曲にいたりました」と主催は語ってくれました。
この演奏のため、練習を含め大豆を1〜2キロ準備したとのこと。観客席まで散らばることから、アレルギーのある人に影響を及ぼす可能性を考慮して、あの注意書きを掲示したそうです。
Twitterでの反響について、主催は「現代の音楽はハードルが高いと思われるかたも多く、面白い試みもなかなか伝わらないことがありますが、このたびはご来場いただきましたお客様の発信で、公演や試みについて広く知っていただく機会となり、メンバー一同感謝しております」とコメント。「同時代に生まれる音楽は、同時代に生きる私たちにとって身近なものであるはずなので、これからもご注目いただけたらと思います」と語りました。
Cabinet of Curiosities 2022は、オンライン配信も実施。12月30日からアーカイブ配信が予定されています(配信チケット販売は12月31日まで)。
画像提供・協力:Cabinet of Curiosities 2022
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