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パリオートクチュールファッションウイークに、米モデルで事業家のカイリー・ジェンナーが1月23日、本物と見紛うような“ライオンの頭”が肩に付いたドレスを着用し登場しました。

歩くのも大変そうな……
このインパクト大なドレスを発表したのは前衛的なデザインで知られるイタリアのブランド、スキャパレリ(SCHIAPARELLI)。ブランドの説明によれば、この作品はダンテの『神曲』地獄編に登場し“肉欲”“高慢”“貪欲”を象徴する“豹”“ライオン”“狼”を表し、「自然界の栄光」をたたえているとのこと。カイリーが着用したライオン以外に、豹、狼のドレスも制作されショーに登場しています。
各動物の頭は、発砲プラスチックと樹脂の彫刻で、たてがみはウールとシルクでできたフェイクファーとのこと。そこへさらに刺しゅうが施され、できるだけ本物に見えるようハンドペイントで仕上げているそうです。
一瞬、剥製(はくせい)にも見えるほどリアルな仕上がりですが、同ブランドは「このルックを制作するのに、動物は一切傷つけられていません」と精巧な作りであるからこそ強く注意を喚起しています。



ショーでは露モデルのイリーナ・シェイクが着用し、会場ではカイリーが注目を集めたこの「レオ・クチュール」。黒のエレガントなアワーグラス・ドレスの右肩にライオンの頭というギャップがインパクトをよりいっそう高めるスタイルとなっています。
つい「重くないのだろうか?」と疑問が浮かぶライオンの頭ですが、かなり軽い作りになっているのか米VOGUE誌やスキャパレリが公開した会場を歩くカイリーを写した動画では、ライオンの頭はほとんど揺れることもなく、カイリーの歩く姿も軽やか。ただし、ブランドの創設者エルザ・スキャパレリの孫で米俳優のマリサ・ベレンソンとの2ショットを自撮りしようにも、頭部が邪魔で右手ではシャッターがうまく切れず、2人は笑ってスマートフォンを左手に持ち替える一幕もありました。


表情もリアル
ブランドは「レオ・クチュール」のコンセプトや材質について説明し工程を動画で公開していますが、SNSでこのドレスが公開されると「たとえフェイクだとしても、それが象徴するものに嫌悪感。誰かがファッションにより声を上げると言ってリアルに作られた人間の生首を服に付けていたらって想像できる?」「これはただ醜いだけじゃなくて、トロフィーハンティング(※娯楽で不必要に野生動物を狩猟した後、剥製にするなどして記念にすること)の宣伝にもなっていて、デザイン面でも発展性がない。がっかり」「暴力を増長させる、恐ろしいメッセージが込められた作品」など、動物をアクセサリーのように扱うデザインそのものが社会的に問題あるメッセージを送っているとの批判も寄せられています。
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