
世の中にはいろいろな記念日がありますが、1月21日は「リスの日」だったそうですよ。特別な日でなくても、小さく愛らしい動物を見るとうれしくなりますね。今回のレビューはリスやネズミなどのげっ歯目の描き方本です。
今回紹介する同人誌
『げっ歯目のかお』A5 52ページ 表紙・本文カラー
著者:Maki

ネズミ、リス、モルモット……げっ歯目動物の頭部の描き方を紹介
こちらはげっ歯目の、特に頭の部分について詳しく描き方を紹介した同人誌です。ネズミ、リス、モルモットなどに共通するところ、またそれぞれに特徴のある部分を取り上げ、図とともに説明が載っています。アニメーターである作者さんは、げっ歯目を絵に描く資料の少なさを感じて、観察したり調べたりしてこのご本をまとめられたそうです。
ページを開くと、正面から、横から、後ろから……シルエットや模様まで、いろいろな角度でネズミやリスの頭が次々と描かれています。本文ページもカラーなので、内側の骨格を意識するところなどのポイントが一目で分かるのもうれしいです。

観察と比較で“らしさ”に迫る
ご本を読むと、げっ歯目ならではの姿が見えてくるのですが、印象的なのはさまざまなものと比較されている点でした。げっ歯目同士はもちろん、人の顔と比べてみたら? ウサギやハリネズミとはどう違うの? と、その差が絵で示されます。その上で目の位置や歯の生え方など、違って見える理由も添えられるので、漠然としていた“ぼんやりとしたネズミやリスっぽさ”から、げっ歯目らしい姿へと脳内でピントが合ってくる感覚がありました。
作者さんは「本来絵には正解はない」と、デフォルメや現実と違う姿を選ぶことにも言及されています。それらも選択肢にありながら、“らしさ”をどう描いていくのかを意識的につかみ取ることができるのは、よく見て、違いを認識しているからこそではないでしょうか。

知ることから始まる生き物の重み
描きたいものがあるときに、その対象の側に行き、質感や感触を知ると、ますます解像度が高くなります。けれどいつでもそれがかなえられるとは限りませんよね。ご本の中でも作者さんが、「人に触られるのを好まない個体もいるのではないか」と書かれているのですが、小さく愛らしくてもかわいい生き物でも、簡単に触って確かめられるわけではありません。 だからと言ってなんとなくぼんやりと“それっぽい生き物”を描き続けるのはもったいないんじゃないかと思えてきました。ポイントを押さえて描くといきいきするなら、そのノウハウを使わない手はない!
観察の目と、知識の頭と、選択を表すことができる手。それらを維持している方が、こんなにもげっ歯目の頭部に力を注いで生まれたご本。知識を深めることは、二次元の絵に三次元のリアルさ、重さを魅せていくことにつながっていて……描き方の方法の本ですが、生き物を大切に思っていらっしゃるお気持ちが根底に流れているように感じました。

サークル情報
サークル名:りすマニア
Twitter:@kroris_maki
Webサイト:https://sites.google.com/view/haphap
入手できる場所:AliceBooks
今週の余談
頭部だけでこんなに違いが見えてるなんて、というのも今回のご本の驚きでした。同じ分類の個性、とても面白いです。
みさき紹介文
公共図書館、専門図書館に勤務していた元司書。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えたあたりで数えるのをやめました」と語る。
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