3月24日発売の「バイオハザード RE:4」英語版でエイダ・ウォンの声優を務めた中国出身のカナダ人俳優リリー・ガオが、ゲーム発売直後からネットで多くの批判を浴び、Instagramの投稿をほぼ全て削除。4月10日、アカウントへ新たな投稿をしたリリーは、自身に向けられた批判が「アジア人女性」という属性に向けられた差別的なものであると意見を述べました。

リリーはコメントのテキスト画像を投稿し、まず自身がバイオハザードのゲーム内でエイダを演じた初のアジア人俳優であることを「光栄」であるとし、プロデューサーとディレクターに謝辞を述べました。続けて「残念なことは、ゲーム発売とともに“私には居場所がない”という見知った感情も湧いてきたことです。批判される中で、有色人種の俳優が加わっているというだけで人種差別的・性差別的な嫌がらせを受けることはこれが初めてではありません。本物ではないキャスティングは、彼らを表すコミュニティーをさらに非人間的なものにし、不健康なイメージが続いてしまう」と彼女に向けられた批判の性質を指摘。
そして「性的で、エロティックで、ミステリアスなアジア人女性だけを利用するのはやめて、あらゆるタイプのアジア人女性の居場所を作るべきです」とアジア人女性が作品に登場するとき、多くのキャラクターに決まったイメージが求められ練りこまれていると主張しました。さらに「私のエイダはサバイバーです。彼女は親切で、公正で、賢く、楽しい人。予測不可能ではつらつとして、ステレオタイプとは絶対に違います」とこれまでのエイダの新しい側面を引き出すような、自身の解釈を展開しています。

このリリーの投稿へ、「バイオハザード RE:3」でニコライ・ジノビエフ役、「バイオハザード ヴィレッジ」でカール ハイゼンベルク役としてモーションキャプチャを務めた英俳優ニール・ニューボンは、「『バイオハザード』ファミリーの一員として、僕たちはみんなあなたの仕事を誇らしく思っているしあなたの味方です。あなたの新しいモーションキャプチャの兄弟姉妹たちは両腕を広げて歓迎します」と温かいコメントを投稿。
他にも、「98年にバイオハザード2が出たときからエイダが好きだった。自立したこの強い女性が大好きだった。このキャラクターのあらゆる解釈が好きだったけど、あなたは私が敬愛するキャラクターに全く新鮮なものをもたらしてくれた」「ゲームを終えたばかりです。こんなことを言っても意味はないかもしれないけど、あなたは驚異的な仕事をしたと思う! ネガティブなコメントは忘れて」など、リリーの演じたエイダをとても気に入っているという声が多数寄せられています。
一方、「ネット上のいじめは支持できないけど、それはカプコンが責任を持つべきこと。正直、あなたのエイダ役はそれほどすばらしいものではなかったけど、カプコンが将来バイオハザードの新作を制作したらあなたはもっと改善するチャンスがある」「“人種カード”を使うのが正しいとは思えない。これはあなたの人種とも性別とも関係なく、多くの人はただあなたの仕事が気に入らなかっただけ」「批判は私が見た限り、ゲーム内のせりふ運びや声質に対してのもの。パフォーマンスに対してだけだと思う」などと今回リリーが受けた批判はアジア人であることとは関係なかったとみる意見も見られました。
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