関東に店舗を構えるスーパーマーケット「ベルク」が、従業員の髪型やアクセサリーといった身だしなみの基準を緩和する取り組みを行い、話題を呼んでいます。安全・衛生上の観点から一定のルールは設けるものの、ヘアカラーやパーマは自由に。ピアスの着用やネイルカラーも認められるようになり、SNSでは「いい取り組み!」「どんどんやってほしい」といった称賛の声が寄せられています。取り組みのきっかけは何だったのか、ベルクに話を聞きました。

ベルクでは近年、他業種からスーパーマーケットに転職し、厳格な身だしなみ基準に違和感を持つ社員が増えていたそうです。また、「若い世代を中心にスタイルの多様化が進んでいるのに対し、多様性や個性の尊重に対応できていないと感じていた」と言います。
そんな中、2023年春に顧客から従業員の髪色を懸念する声が届き、社内で改めて身だしなみについて議論することに。当事者である若手社員の意見にも耳を傾けながら検討した結果、従業員の身だしなみは「衛生的で清潔であること」「お客様に不快感や恐怖感を与えないこと」「作業性と安全性を考慮し業務に支障を与えないこと」を条件に、従来の基準から大幅に緩和することを決めたと言います。

スーパーマーケットとして意識すべき安全性や衛生上の観点から、「付け爪は禁止」「長髪は後ろでまとめる」「ネックレスやブレスレットは衣服の上にかからないようにする」といった、一定のルールは設けながらも、基本的には従業員が好きな髪型や装いで働けるようになりました。なお、ピアスやネイルなど衛生面の懸念が出るものについては、「爪の長さに基準を設ける」「生鮮部門は頭髪キャップで耳を出さず、専用手袋を着用する」などの対策を取っているそうです。

実際に身だしなみの基準が緩和されたのは2023年9月。当初は来店者から基準緩和を不安視する声があったものの、「より良い接客に対する意識が高まったためか、最近は接客に対するお褒めのお言葉と併せて好意的なコメントをいただくことが多くなった」といいます。
また、社内では身だしなみ基準の緩和を歓迎する声が大きく、緩和を受けて退職を撤回した従業員もいるそうです。今後もベルクでは、顧客や従業員の声を聞きながら、社会の変化に対応していく考え。障がい者をはじめ、さまざまなダイバーシティ人材が活躍できる環境整備に取り組むとしています。
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