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米歌手で俳優のセレーナ・ゴメスが10月30日、InstagramのストーリーズでしばらくSNSから離れている理由を説明。同月7日から始まりいまだ収束が見えないイスラエルとハマスの紛争といった世界で起きている暴力について率直な気持ちを明かしましたが、これに思いがけず批判が殺到し「フォローを外した」などキャンセルのターゲットとなっています。

セレーナはInstagramのストーリーズへテキスト画像を投稿し、「SNSをお休みしているのは、世界で起こっている恐怖や憎しみ、暴力、テロ行為を目の当たりにして心が痛んでいるからです」と最近投稿をしていない理由を明かしました。
具体的にイスラエル、ハマスといった単語を上げることはせず、「人々が拷問され殺害されること、特定のグループへの憎しみによる暴力は恐ろしいものです。私たちは全ての人々、特に子どもたちを守り、暴力を永久になくさなければなりません」と持論を展開。「私の言葉が全ての人々や、ハッシュタグとしても不十分であるならごめんなさい。私はただ罪のない人々が傷つけられることに耐えられません。気分が悪くなってしまうのです」と戦争に関する情報で精神がむしばまれていることを告白。
SNSフォロワー数ランキングでは常に上位にいるセレーナですが、「世界を変えられたらと思う。でも投稿では変えられない」と世の問題に何かアクションを起こそうとSNSへ投稿しても影響は与えられないと自身の考えをつづりました。
セレーナの投稿は、特に過激な言葉もなく繊細な彼女の内面をつづったものでしたが、これに多くの人がコメント欄やSNSで「フォロー外した。あなたの大ファンだった」「二度とあなたの商品は買わない」とボイコットを呼びかける事態に。10日の世界メンタルヘルスデーに関する彼女の最新投稿へは非難コメントが殺到しました。
「深く失望した。恥を知りなさい。4億3000万人のフォロワーがいるのに投稿では何も変えられないですって。それで慈善家? メンタルヘルス? 女性の権利? あなたがこれまで投稿してきた全ては何だったの? 筋を通して」「私は何年もあなたが大好きだった。それはあなたがアーティストだからというだけではなく、よりよい世の中にすることに関心がある人だったから」「世界で本当にひどいことが現実に起きて以来、多くのセレブがSNSで沈黙し始めたのは本当に面白いよね」など、「投稿では何も変えられない」としたセレーナの投稿が過去にさまざまな社会問題に声をあげてきた姿勢と矛盾しているとの指摘もみられました。
セレーナがいいねしたエイミー・シューマーの投稿、エイミーの父親はウクライナ系ユダヤ人
また、「彼女はシオニストの友人がいるから投稿しないだけ。もしくは彼女がシオニストなのか」「世界で最も弱い立場の子どもたちのためユニセフ大使を務めているのに、パレスチナの子どもたちを民族浄化しようというエイミーの投稿にいいねするなんて本当に笑える」「4億3000万人のフォロワーがいればどれだけ影響力があるのかよく知ってるはず。中立になって大量虐殺を支持することにしたの?」など、中立という立場は傍観と同義として批判する声も。
さらにセレーナは父親がウクライナ系ユダヤ人のコメディエンヌのエイミー・シューマーのイスラエル側に立つような投稿へ“いいね”をしていたと報道されており、沈黙することでイスラエル側を支持しているとするコメントも目立ちました。

加えてセレーナは8月に、手書きで「声が震えようとも、自分の意見を語ろう」と書かれたメモを向ける自身の写真を投稿しており、この言葉がブーメランとなって批判が拡大されることに。「『声が震えようとも、自分の意見を語ろう』。でもパレスチナの大量虐殺には沈黙を選ぶんだ」「パレスチナに関しては別なんだよね」とコメント欄へは痛烈な皮肉が並ぶことになりました。
一方で、今回のセレーナの投稿がこれほど炎上してしまった理由が全くわからないという声も。
「彼女の投稿はただ暴力を非難してるだけ。いったい何が悪いの?」「有名になればなるほど発言力が弱まることは驚き。彼女は何も悪いことは言っていないし、全ての命が大切だと考えているだけ」とセレーナの言葉は何も問題はないとするコメントや、「中立を保つっていうのは、“私たちの方を選ばなかった”という意味で敵認定されるんだろうね」「つまり、みんな彼女がどちらかのサイドについてほしいんだろう」「この人たちは病んでる。本当にメンタルの疾患を抱えているよ」など、中立であるということを批判する方に問題があるとするコメントも多数見られました。
米政府と同様にハリウッドでは多くの人が沈黙を貫くか、イスラエル側に付く声明が目立ちます。また、同じく膨大なフォロワー数を誇るジャスティン・ビーバーやドウェイン・ジョンソンはやはり中立の立場で暴力に反対するコメントを出しましたがセレーナのように非難されることはありませんでした。
そんな中、父親がパレスチナ系移民である人気モデルのジジ・ハディッドは、10日に声明を発表。「私はパレスチナ人に希望と夢を持っていますが、その中にユダヤ人を傷つけることは含まれていません。罪のない人々をおびえさせることは、パレスチナの自由運動とは相いれず、何の役にも立ちません」とパレスチナへの思いをはっきりと明かしつつ、戦争や暴力、罪のない人が傷つけられることはあってはならないとしました。さらに「イスラエル政府を非難することは反ユダヤではないし、パレスチナを支持することはハマスを支持することではない」と主張。この声明が発表されたのち、一部報道では彼女と彼女の家族全員に匿名で脅迫文が送られたとされています。
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