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なぜ熱帯地方にカラフルな生き物が多いのか、またなぜ草木に溶け込みやすい緑色の哺乳類がいないのか。そんな気になる疑問について解説する動画がYouTubeチャンネル「るーいのゆっくり科学」にて公開されています。動画は記事執筆時点で23万再生。人間からすると、トラの毛色は密林で目立ちやすいように思えますが……?
同チャンネルは、2人のキャラクター「ブラン」と「ノワール」が、科学に関するさまざまな疑問やトピックについて解説する人気チャンネル。2022年8月には、小学校高学年から大人まで楽しめる書籍『学校では教えてくれない ヤバい科学図鑑』(SBクリエイティブ)が発売されました。

言われてみると緑色の哺乳類がいてもおかしくないような気がするけど……?
さて、生き物はなぜカラフルな色へと進化するのでしょう。理由(利点)として挙げられるのは、主に「求愛」「コミュニケーション」「警告色」の3つといわれています。そのうち“自分は毒を持っている”と周囲にアピールする警告色には、派手になる“ある理由”があるのだとか。
鳥類などの捕食者は食べたものを学習するため、「派手なほうは記憶に残りやすいため再び襲われにくく、生き延びる確率は高くなる」とのこと。毒を持った生き物が自然と派手になるように進化していくそうです。


次に熱帯にカラフルな生物が多い理由は、「熱帯雨林は地球の陸地のうちたった6%しか面積がないにもかかわらず、動物植物の種の50%以上がそこに生息している」とされているように、単純に“熱帯にいる生物の種が多いから”だといいます。


また、熱帯では生物の多様性が大きい理由について、高緯度に近づくに従って生物多様性が低くなる“生物多様性の緯度勾配”と呼ばれる傾向に基づき、その仕組みに関する4つの有力な説を解説しています。なお、多様性が増えると一部に特化したスペシャリスト(毒を持つ派手な生物から、毒を持たずに色だけ似せた生物まで)や、同種を見分けるためにより目立つ色へ進化していく生物も現れるそうです。

最後に、なぜ人間が派手な色に進化しなかったのかという疑問。哺乳類が全体的に“地味な色”をしている理由として、哺乳類が誕生したといわれる約2億2500万年前、同時期に存在し大地を支配していた恐竜から逃げ続けるため、哺乳類は夜行性動物になり、色を見分ける機能「色覚」が役に立たなくなったといわれています。
色覚が退化すると、上記で挙げたカラフルな色に進化する利点が得られないため、わざわざ派手な色になる必要がないのだとか。そんな背景があったことを知ると、恐竜という生き物の影響力をあらためて強く感じますね。



また草木に溶け込みやすい緑色の哺乳類がいない理由も、同様に色覚が理由とのこと。陸上の哺乳類は、青系と緑系に反応する「2色型色覚」のため、3色型色覚以外の哺乳類には、オレンジ色のトラと草の色はさほど変わらないように見えているそうです。加えて緑色の色素よりもオレンジ色の色素のほうが生物の体内ではつくりやすいともいわれているのだとか。3色型色覚の人間から見ると目立つトラも、実はちゃんと“保護色”だったのですね!



コメント欄には「楽しい解説だった」「勉強になった」「生物の種類で色覚の数が違う話が興味深かった」という声や、「じゃあトラは自分がオレンジ色なの気づいてないってこと!?」なんて声も寄せられています。なお、本解説の参考文献は動画の概要欄から確認できます。
画像提供:YouTubeチャンネル「るーいのゆっくり科学」さん


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