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鮭の博物館の水槽と貼り紙がX(Twitter)に投稿され「ショックです」「自然の摂理……」と話題です。投稿は記事執筆時点で43万件以上表示され、5000件を超える“いいね”を獲得。一体何があったのでしょうか……?
一体何が……?

投稿したのは、イヨボヤ会館(新潟県村上市)です。同館は日本で最初の「鮭の博物館」で、鮭の生態、一生を学ぶことや、古くから鮭の恩恵を受けてきた村上市の文化と歴史を知ることができる施設です。水槽の他にも川に設置した観察窓もあり、生息する生物を自然のままに見ることもできます。
そんなイヨボヤ会館の水槽に2023年11月12日にある貼り紙が貼られました。そこには「すみません……只今、鮭が1匹もおりません」の文字が! 鮭の博物館なのに鮭いないんですか!?

問題の貼り紙がコチラ
貼り紙によると、「夏の酷暑により、現在日本近海の海水温が記録的に高くなっているそうです。鮭は海水温が下がったタイミングで川に遡上を始めるため、全国の川で今、鮭の大変な不漁が発生しています。三面側でも鮭の漁獲が激減しており、展示のための鮭の搬入が滞っている状況です。」とのこと。
水槽にいたシロザケたちは、最近産卵ラッシュだったのですが、自然の摂理通り産卵が済むとその一生を終えました。それはどうしようもないことなのですが、あまりの鮭の不漁で追加で鮭が搬入できずに水槽は空っぽのまま……。

空っぽだ……
“海面水温の上昇”によって、2023年9月末時点の本州全体の河川での鮭の捕獲数は、去年の同じ時期と比べてわずか9%(水産研究・教育機構や宮城県などによる)と、村上市に限らず本州全体的に鮭が不漁と報道されています。どこからか追加搬入するのは難しそうですね……。


この投稿には、たくさんの反響と励ましの言葉が寄せられ、中には水槽で産卵された卵の行く末を心配する人も……。しかし、イヨボヤ会館によると「卵はそのままにしておきますと年明け後にちゃんとふ化して、このような感じをご見学いただけます」とのこと。後日、ふ化したばかりの魚たちがたくさん泳ぐ、2〜3月ごろの動画を追加投稿していますのでご安心ください。
2〜3月ごろの鮭水槽

全国的な鮭不漁により、開館以来の危機を迎えているというイヨボヤ会館。鮭の遡上数が上向きにさえなれば、また水槽に鮭を入れて元気に泳ぐ姿を展示するそうです。自然の摂理と異常気象によって一時的に“空っぽ”になってしまった水槽も、珍しい光景なので一見の価値があるかもしれません。



イヨボヤ会館は、村上市を流れる三面川(みおもてがわ)のほとりにある「鮭公園(サーモンパーク)」の中心施設で、「イヨボヤ」とはこの土地の方言で鮭のことです。鮭に関する歴史や文化などに興味のある人は、一度訪れてみたらいかがでしょうか。
また、X(Twitter)(@iyoiyoboyaboya)やInstagram(@iyoboya_kaikan)でも情報を発信しています。
(追記:11月15日、小さい個体ですが5匹搬入されたそうです!)

11月15日、小さいのが5匹だけど……お帰りなさい!
画像提供:イヨボヤ会館@鮭(@iyoiyoboyaboya)さん


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