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第77回カンヌ国際映画祭で現地時間5月20日、アニメーション制作会社「スタジオジブリ」に映画業界への功績を讃える「名誉パルムドール」が授与されました。個人ではなく団体に対して同賞が贈られるのは史上初めてのことで、この快挙にジブリ作品ファンが多い現地フランスからも、祝福と歓喜のコメントが多数寄せられています。

ギネスも認めた仏人ファンは 「本当に魔法のようだった」
熱心なジブリファンが多い同国でも、多くの人がこのニュースに大盛り上がり。2022年に「最大のスタジオジブリ・コレクション」を持つとしてギネス世界記録を達成したフランス人女性エロイーズ・ヴォン・ベルベットは同映画祭に招待され、名誉パルムドール授賞式を見守りました。
三鷹の森美術館でしか上映されたことがない4作品の上映会に出席したほか、本人のInstagramアカウントでは宮崎(※崎は正しくはたつさき)駿監督の長男である吾郎監督が壇上にあがり栄誉を手にする場面を会場から撮影した動画や、上映会で配られたカードやバッグなど記念品の写真を投稿。授賞式について「とても感動的な瞬間で本当に魔法のようだった」と感想を述べ、同国のジブリファンを代表する1人として率直な喜びを表しました。
カンヌ仕様のカードなどが配られたそう
「まったくもって当然のこと」 フランスで圧倒的人気を誇るジブリ

エロイーズの投稿コメント欄を含め、SNSにはフランス語で現地のファンから多くの祝福や喜びの声が書き込まれています。長年多くのジブリファンを抱える同国として、今回の受賞は「まったくもって当然のこと」とまで評するコメントもみられます。
「間違いなく漫画・アニメ映画の最も偉大な監督。敬意を示してくれて感謝します」「宮崎監督とスタジオジブリによる時代を超越した壮大な芸術作品群……巨匠たちがその才能を評価されるのを見るのは何という喜びだろう」とようやく見える形で功績がたたえられたことを日本のファンと同様に喜んでいます。
さらに「宮崎さん、あなたの作品全てを愛してます」「信じられないほど繊細で、感動的なストーリーに、すばらしい絵。この唯一無二のスタジオをようやく認めてくれたカンヌに感謝します」など、それぞれがジブリ作品への愛を語るコメントも。
1978年に現地で放送された「UFOロボ グレンダイザー」の爆発的ヒットをきっかけに多くの日本アニメが放送されることとなり、現在は“第2の漫画国”を自負する同国だけに、受賞に端を発してジブリのような2Dアニメを制作する技術を貴重に考える一方、現在多くの子ども向け番組で3Dアニメが放送されていることについて議論を戦わせるコメントもみられました。
久石譲さんも大人気 フランスでのジブリ人気エピソード
4月のフランスでのコンサートも大盛況だった久石譲さん
2023年11月には、粘り強い交渉で1983年出版の駿監督によるファンタジー絵物語「シュナの旅」フランス語版がようやく出版され大手メディアでも大々的に報道されました。さらにジブリ作品の音楽を多数手がける久石譲さんはフランスで掛け値なしにチケットが完売する唯一の日本人アーティストまでいわれ、2024年4月にはパリ・ラ・デファンス・アリーナでコンサートが開催。数度目ながら今回も満員御礼となりました。
今回日本でも喜びとともに報じられたスタジオジブリの名誉パルムドール受賞のニュースは、フランスで長年応援し続けたファンにとっても感慨深いものとなったようです。
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