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「アメリカズ・ネクスト・ドラァグ・スーパースター」の称号と賞金を懸けて競い合う米リアリティー番組「ル・ポールのドラァグ・レース」。4月まで放送された最新第16シーズンでは台湾系アメリカ人のニンフィア・ウインドが、東アジア人初の番組優勝者となりました。勝利のあと、ニンフィアは幼少期を過ごした台湾へ凱旋(がいせん)し、蔡英文前総統の前でパフォーマンス。5月22日公開の米People誌とのインタビューで快挙と栄誉について、「今でも信じられない」と率直な気持ちを語っています。

「一生に一度の機会」は蔡前総統側からコンタクトがあり実現
フィナーレでのニンフィア
蔡前総統は5月20日、2期8年間の任期を終え勇退したばかり。ニンフィアの優勝は退任の数週間前のことで、フィナーレが放送された数日後にチームから連絡があり、総裁(当時)との面会へ招待されたと明かしました。
「今でも信じられないし、本当に言葉がありません。これは私が想像した以上、達成できると思っていたことをはるかに超えています」と今でも夢心地であると述べました。
2018年から台湾をはじめさまざまなステージでパフォーマンスをこなし、いくつもの賞も受賞してきた現在28歳のニンフィアですが、今回は別格の体験だったようです。「とても、とても緊張しました。パフォーマンスでこんなに緊張したのはほんとうに久しぶりのことでした。でもこの一生に一度の機会にわくわくもしていました」と堂々たるパフォーマンスとは裏腹にドキドキだった内心を明かしています。
LA生まれ台湾育ち 特別の舞台に選んだ特別な曲

今回ニンフィアがパフォーマンスしたのは3曲で、1曲目は台湾の歌手ホァン・フェイの「Chase, Chase, Chase」、2曲目がレディー・ガガの「Marry the Night」。そして3曲目の「Wxmanly」は、2000年に“女の子みたい”という理由でいじめられ、15歳の少年が亡くなった悲劇的な事件を受けて台湾の歌手でダンサーのジョリン・ツァイが2018年に発表した曲です。
ニンフィアによると、台湾ではこの事件をきっかけにLGBT運動が加速していったといいます。「私たちはこの曲を、蔡総統が平等への運動へ貢献してくれたことへの感謝の贈り物として使おうと決めんたんです」と語りました。
蔡前総統「台湾の文化を世界に見せてくれたこと、感謝します」
番組内で台湾のドラァグシーンについて語ることもあったニンフィア
台湾で女性初の総裁となり、任期中の2019年5月にはアジア初の初の同性婚法制化を実現させた蔡前総統。ニンフィアはパフォーマンス後の歓談で、蔡前総統へ「この国へ貢献してくださってありがとうございます。そのおかげで、私は今こんなに成長することができたんです」とその思いを伝えています。
今回のパフォーマンスをニンフィアがInstagramへ投稿すると、蔡前総統は「世界のクイーン、ニンフィアがすばらしいパフォーマンスを見せてくれ、台湾の文化を世界に見せてくれたこと、感謝します」とコメントを書き込みました。
ニンフィアが優勝を手にした「ル・ポールのドラァグ・レース」は年々米国外でも認知度が高まってきており、今夏には過去の優勝者たちによるアジアツアーの一環で来日も決定。8月に東京公演が予定されています。
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