南米ペルーにある「ナスカの地上絵」で、新たに303個の地上絵が発見されたことが分かりました。AIを用いた調査で明らかになったもので、これまでに見つかったものから一挙倍増となります。AIすごいな!

従来の手法では発見が困難な「レリーフ型」地上絵もAIで効果的に識別
山形大学ナスカ研究所とIBM研究所の共同研究プロジェクトとして、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載予定の論文で明らかとなったもの。
ナスカの地上絵は、ペルーのナスカ台地に存在する巨大な地上絵のこと。約400平方キロメートルにおよぶ広大な台地に謎めいた地上絵が多く残されており、ユネスコの世界文化遺産としても知られています。これまでに、具象的な地上絵が430個確認されています。

山形大学は、人工衛星や航空機、ドローンなどのリモートセンシング技術を用いて多くの地上絵を発見してきましたが、IBM研究所と提携しAIを用いた調査手法を確立。少量の学習データで高いパフォーマンスを発揮するAIモデルにより1309件の有望な候補が特定され、その約4分の1について現地調査を行った結果、6か月間で303件の新たな具象的地上絵が発見されたと説明しています。


地上絵の発見率が16倍に高まっただけでなく、具象的地上絵の数が増加したことで、ナスカ台地における地上絵のモチーフや分布の分析が進んだとのこと。地上絵は「線型」と「レリーフ型」に大別でき、野生動物が主に描かれる「線型」は、コミュニティーの儀式的な目的で使用されたと考えられること。また、人間活動に関連したモチーフが多い「レリーフ型」は、個人や小グループのために作られた可能性があるとのことです。

論文では、ナスカ台地全体の高解像度航空画とAIモデルを組み合わせた他、物体検出のアルゴリズムとしてグリッド化された分類モデルを用いることで、5メートルごとの細かな分析を可能にしたなど、具体的なアプローチも説明。従来の手法では発見が困難な小さな「レリーフ型」地上絵も効果的に識別できるようになったとしています。
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