ねとらぼ
2025/02/27 18:00(公開)

サラリーマン、プリキュアを語る:「いっしょに踊ろう」から「ペンラで推し活」へ 「キミとアイドルプリキュア♪」のED曲「Trio Dreams」が提示する“子どもの推し活”の新時代

キミプリのエンディング曲「Trio Dreams」が、とにかく最高にカッコイイ曲なのです。

 「キミとアイドルプリキュア♪」が始まりました。

 この作品の前期エンディング曲「Trio Dreams」が最高にカッコイイのです。BPM158のハイテンポな楽曲はこれまでの「一緒に踊ろう」型のエンディングから、ペンライトを振り、コール&レスポンスで応援する“推し活”型エンディングに変化し、「プリキュアを応援する楽しさ」を子どもたちに届けていきます。

キミとアイドルプリキュア♪
2025年2月から始まった「キミとアイドルプリキュア♪」
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kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。

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「キミとアイドルプリキュア♪」スタート

 2025年2月2日、プリキュアシリーズ第22弾「キミとアイドルプリキュア♪」(以降キミプリ)がスタートしました。今作は「アイドル」がモチーフ、テーマは「“キミ”がいるから輝ける、強くなれる!」となっています。

 シリーズディレクター(監督)には「劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal」や「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」の監督を務めた今千秋さん、シリーズ構成には加藤陽一さんが起用されました。

キミとアイドルプリキュア♪
キュアアイドル

 加藤さんは「アイカツ!」や「アイドルマスター ミリオンライブ」「アイドルマスター シャイニーカラーズ」などのシリーズ構成も手掛け「アイドルアニメ」に強い印象もありますが、女児向け特撮「ひみつ×戦士ファントミラージュ!」など「ガールズ×戦士シリーズ」を成功に導いた実績などもあり「女児向けバトルもの」にも強く、まさに「アイドル+プリキュア」という組み合わせに最適な人が抜てきされた印象です。

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王道のプリキュア観に、アイドル要素をプラス

 さてそんなキミプリ、序盤の2月は「王道のプリキュア」が展開されました。

 「ガールミーツフェアリー」から始まり、伝説の戦士プリキュアを探すために人間界に来た妖精、3人組の悪役がアジトで悪役会議、人間のキラキラを奪う敵幹部、町で暴れる大きな敵、思いの力で変身するプリキュア、派手な決め技、2番目の青いプリキュアといった20年間積み上げてきた「概念としてのプリキュアっぽさ」が満載なのです。

 プリキュアを見続けている人には「最新作なのにどこか懐かしい」印象もあるのですが、逆に初めてプリキュアに触れる子どもたちには新鮮に見えるのでしょうね。

キミとアイドルプリキュア♪
本作もガールミーツフェアリーから始まる

 そんなプリキュアとしての安心感に加え「アイドル」という新しい要素がとても良い方向に機能しています。

 決め技のパンチ技をアイドルらしく「グータッチ」と表現するアイデアや、「歌って敵を浄化」するのではなく、歌って敵をノリノリにしたところで「決め技をぶつける」のがとてもプリキュアらしいですよね。

 まさにプリキュアでしか表現できない「アイドル」が描かれています。

 また、第2話「私、バズっちゃってる!?」では「アイドルのステージを勝手に撮影するのはダメ」や「一度ネットに上げたものは消えない」などのネットリテラシーの啓発や、第5話「レジェンドアイドル!?響カイト」では伝説のアイドル・響カイトの声を男性アイドルグループSnow Manの佐久間大介さんが演じることでも話題となりました。

キミとアイドルプリキュア♪
Snow Manの佐久間大介さんが声を演じる「響カイト」

加藤陽一さんが創造する特徴的なフレーズ

 「キミと一緒に!キラッキランラン〜♪」

 本作を象徴するこの言葉は、「特徴的なフレーズを用いて世界観を確立していく」というシリーズ構成の加藤さんの得意とするところ。

 過去作でも、アイカツ!では「芸能人はカードが命」「うんうん、それもまたアイカツだね」などの印象的なフレーズで作品を引っ張って来た加藤さん。今作でも「キラッキランラン」や「歌って踊ってファンサして」など心に残るフレーズで作品の世界観を作り上げています。この先も特徴的なセリフが出てくるのでしょうか。

キミとアイドルプリキュア♪
「キラッキランラン」など特徴的なフレーズも見どころ

 また、今作は例年よりも全体的に「展開」も「セリフ回し」もかなりテンポが早く、ポンポンと言葉が発せられ場面もクルクル変わっていきます。これは「ネット動画」的なスピード感で、これが子どもたちにも聞きやすく心地よいテンポ感になっているのだと思われます。

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