最終回直前。「まほプリ2」とは何だったのか? を振り返っていきます。
INDEX
過去にとどまるのではなく、変化を楽しむこと
前作「魔法つかいプリキュア!」では、彼女たちは「日常を守るため」に戦うことに重点が置かれていました。しかし今作では、そんな楽しかった日常に閉じこもらず「過去を踏まえた上で、未来に向かうこと」が描かれています。
劇中では、朝日奈みらいが「未来に向かうことの大切さ」に気付いたのは「たくさんの過去を思い出したから」だとし、過去に目を向けることの大切さにも触れています。
それまでのみらいって、そこまで自分の願望を押し出さない子でした。あくまで「襲ってくる敵がいるから、自分たちの日常を守るために戦おう」という子。
みらいの大きな成長は第49話Bパートで「みんなに会いたい!」と強く主張したシーンです。みらいがその後どう成長したのか、第49話を経たみらいはこうなりましたよ、自分が誰かに会いたいだけじゃなくて、みんなを会わせたいと思うようになっているよ、ということです。
徳間書店 アニメージュ 2025年4月号(P25)

個人的に思ったこと
そんな「過去への憧憬」を描いてきた「まほプリ2」。
ただ個人的には、時間軸が複雑で難解なストーリー展開や、せっかく出てきた新キャラクター「ひーちゃん」が復活したはーちゃんと引き換えにいなくなってしまったモヤモヤ感など、少しだけ気になった点もあります(設定的には、はーちゃんの意識がひーちゃんの身体に宿っている、ということのようです)。
二人の関係性は、ラパーパとことはの関係性と同じです。だから本来なら、ことははひすいが生まれたら、いなくなる存在だったんです。かつてラパーパがそうだったように。でも、アイルはことはが消えてしまう前にスマホンにその意識を閉じ込めたんです。
(中略)
ええ。ひすいの身体は残して、その意識が消えてしまいました。今のことはは、ひすいの肉体に宿っている形なんです。
徳間書店 アニメージュ 2025年4月号(P25)

しかし、朝日奈みらい、十六夜リコ、花海ことは、モフルンのキャラクターは相変わらず魅力的で、この4人の掛け合いが再度見られただけでも大満足なのです(電子レンジでお湯を沸かしてカップラーメンを食べるシーンがものすごく好きです)。
また前作のサブキャラクターも豊富に出てきますし、かつての敵「闇の魔法つかい」との共闘など見どころも満載です。
そういった「お気楽で楽しいワチャワチャ感」こそが「まほプリ」っぽいなとも思うのですが、それこそがまさに自分が「まほプリという過去に囚われている」証拠なのでしょうね。
そういう「楽しかった過去」からの脱却も同作のメッセージの一つではないかとも思います。
今作は一体どんな結末を迎えるのか、とても楽しみです。

過去を振り返ることは悪いことだけではない
子ども向けであるニチアサのプリキュアではずっと「未来に向かう物語」が展開されてきました。
子どもたちに向けた「輝く未来への物語」が従来のプリキュアであるならば、“オトナ向けプリキュア”は「過去を肯定することにより未来を作る物語」なのだと思います。
輝いていた過去、ツラい過去を含めてたくさんの過去があることこそが、子どもにはないオトナの特権です。
その過去を見つめ直すことにより未来が作られる。
そういった意味でもまさに「まほプリ2」は「オトナ向けシリーズ」だからこそ描けたプリキュアだったのではないかと思います。
「まほプリ2」は過去を愛するファンと制作者が生み出した、いわば特別な物語です。
過去を振り返ることは、前に進むための大切な一歩。
「過去に囚われること」は決して悪いことばかりではないことを、この続編が作られたことが証明しているのだと思うのです。

(C)ABC-A・東映アニメーション