ねとらぼ
2025/04/01 17:30(公開)

「長いんだよ!」「どこからが質問?」 記者が見たフジ・第三者委員会“5時間半会見” 裏側では何が起こっていたのか

98媒体、265人の報道陣が参加した会見当日、裏側では何が起こっていたのかを詳報します。

 元タレント・中居正広氏とフジテレビの元女性アナウンサーとの間で起きた性的なトラブルに関連して、3月31日にフジ・メディア・ホールディングス(FMH)とフジテレビジョンが開いた記者会見(関連記事)。その会見場では「どこからが質問?」「2カ月でこの情報量は弁護士すごい」といった記者の声が飛び交っていました。98媒体、265人の報道陣が参加した会見当日、裏側では何が起こっていたのかを詳報します。

フジテレビ 中居正広
フジ・第三者委員会会見の裏側
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3月29日:記者会見のお知らせ

 3月29日付でメディア各社に送付された「第三者委員会 調査報告会見ならびに(株)フジ・メディア・ホールディングス (株)フジテレビジョン記者会見のお知らせ」と題された資料には、3月31日にそれぞれの会見が予定されていることが記されていました。

 驚いたのはその受付時間が「13時30分より」となっていたことで、17時から第三者委員会が調査報告会見を行い、19時からFMHとフジテレビが会見を行うと案内されている中、通常の会見と比べるとかなり早い時間から受付を行うとしていました。

 ねとらぼ編集部はこの会見についての問い合わせが遅れてしまったのですが、フジテレビ広報部の柔軟な対応により、当日の取材許可を得ることができました。

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3月31日15時40分:フジテレビ本社前到着

フジテレビ 中居正広
フジテレビ本社前には報道陣の姿

 会見場となったのはフジテレビ本社内のオフィスタワー22階。

 料理記事執筆のため、西新井のスタジオで14時に撮影を終えた筆者は、エプロン片手に東京臨海新交通臨海線・ゆりかもめに飛び乗りました。

フジテレビ 中居正広
会場内でおそらく唯一エプロンを持っていた筆者
フジテレビ 中居正広
会見が深夜に及ぶ可能性も考え、軽食と携帯カイロを準備

 台場駅からフジテレビ本社へ向かうと、本社前には複数の報道陣がおり、中には生中継のリハーサルらしきものを行っているメディアの姿もありました。

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3月31日15時44分:手荷物検査

 本社前には「フジテレビ会見STAFF」と書かれたカードを首から下げているスーツ姿のスタッフがおり、「会見に来た」旨を伝えると手荷物検査を受けるように言われました。

 カバンの中身の確認と金属探知機による検査を終えるとそのまま受付に通されます。

 名刺を1枚渡して媒体名と名前を名乗ると、「フジテレビ記者会見」と書かれたカードを首からかけるように言われましたが、このカードには「※当日限り有効」と印刷されていたのが印象的でした。

3月31日15時52分:着席

 受付を済ませるとスタッフが1人ついてくれ、エレベーターホールまで案内されます。すると今度はエレベーターに一緒に乗り込んでくれるスタッフにバトンタッチ。22階で降りると、さらにエレベーターから会見場まで誘導してくれるスタッフがおり、さらに別のスタッフが会見に関する注意とお願いが書かれた紙の資料を渡してくれて、「よかったらお水もどうぞ」とすすめられました。

フジテレビ 中居正広
いただいたお水

 記者人生の中で今までにスタッフ数が多いな、と感じた会見といえば2019年に開かれた吉本興業の闇営業を巡る謝罪会見だったのですが、その比ではないぐらいありとあらゆる場所にスタッフと警備員がいて驚きました。

 会場内は縦長の構造になっており、最前列がスチールカメラマン、その後ろにペン記者のパイプ椅子、さらにその後ろにムービー用カメラ台、最後列にテーブルとコンセントが一体になった充電ブースといった構造。

フジテレビ 中居正広
約400席用意しているとのことだった会見場の椅子

 また会場内にはフリーWi-Fiも用意されており、これは記者にとって柔軟な配慮だと皆さん喜んでいました。

フジテレビ 中居正広
会場に貼りだされていたフリーWi-FiのSSID

 最後列に座ると質問ができないとのことで、筆者は前方のペン記者席に座ることにしました。

 受付の時間が遅かったのでかなり後方を覚悟していましたが、意外にも前から5列目以内に座ることができました。その後、パソコンの準備などをしているとスタッフたちが慌ただしく動き始め、分厚い紙の資料が配られました。

フジテレビ 中居正広
このパイプ椅子に長時間はなかなかこたえた

 タイトルは「調査報告書要約版」。第三者委員会による394ページに及ぶ調査報告書を51ページに要約したものとなっており、記者たちはいっせいに蛍光ペンや付箋を使って重要と思われる箇所を探し始めました。

フジテレビ 中居正広
一斉に調査報告書の要約を読み始める記者たち

3月31日16時29分:音声信号のテストを実施

 また会見の約30分前には司会よりムービーカメラマン向けの音声信号テストを実施する旨が告知され、会見で使用するマイクなどの技術チェックも始まりました。

3月31日17時:会見開始

 会見開始時刻ちょうどに第三者委員会のメンバーが入場して一礼。詳細な調査結果を、委員長を務めた竹内朗弁護士が説明していきます。詳しい会見の内容は別の記事を掲載しているので、本記事では割愛します。

3月31日17時50分:日枝氏関連質問で会場がピリッ

 会見の中で空気が変わったのは、3月27日にフジテレビとFMHからの退任が発表された日枝久元取締役相談役に関する質問が飛んだ瞬間。「日枝氏に説明責任はないのか」と問われた第三者委員会が「説明責任があるかないかといえば、一定の説明責任はある」と答えると、会場内で一気にキーボードを叩く音が大きくなったような気がしました。

3月31日19時3分:第三者委員会の会見が終了

 19時終了予定としていた第三者委員会の会見。19時3分ごろに司会者から時間が押しているため、会見を終了とする旨と追加質問はメールで送るようにと告げられると会場内で質問のために手を挙げ続けていた記者たちからは「何も聞けない」と落胆の声が上がったほか、怒鳴り声をあげる記者の姿も見られました。

 また第三者委員会のメンバーが退出する出口に歩み寄っていき、怒号を浴びせる記者も登場するなど会場内は異様な雰囲気に包まれました。

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