ねとらぼ

プロに聞いた! 袋麺のあれこれ

 袋麺について、その魅力やトレンド、知っておきたい基礎知識などを、鈴木さんに答えていただきました。

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袋麺の魅力は?

「記載通りの調理法でも、アレンジを加えても美味しいのが袋麺の魅力です」と鈴木さん
「記載通りの調理法でも、アレンジを加えても美味しいのが袋麺の魅力です」と鈴木さん

 まずは、保存性が高く、省スペースにストックしておけるということ。それでいて調理すれば熱々のラーメンが食べられるということでしょうか。

 カップ麺はお湯だけで作れるという手軽さや、この40年間で種類が3倍になるほどのバリエーションの豊富さが魅力です。一方袋麺にはコンパクトにストックできて一食あたりのコストも安く、さらに賞味期限も長いというメリットがあります。

 さらに袋麺の場合は、野菜や肉など、いろいろなものを加えられるアレンジ性も魅力です。規定量のお湯で麺を戻してスープを加えるだけという簡単な調理法なので、子どもから大人まで誰でも簡単に作れて、失敗することがありません。

 日本即席食品工業協会の主催するインスタントラーメン小学生レシピコンクールも年々応募が増えていて、昨年は過去最高の1万1717件の応募がありました。

 あまり知られていないかもしれませんが、袋麺にはカルシウムやビタミンを加えているものも多いんです。栄養面にも配慮されているので、安心して食べていただけます。

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袋麺のトレンドは?

 確かに以前に比べると、塩・しょうゆ・味噌に加えて、とんこつや辛い味、ちゃんぽんなど、味のバリエーションは増えました。とはいえ、カップ麺に比べて、袋麺はそこまでトレンドに左右されることがなく、昔から愛されている商品が今でも根強い人気を集めています。

 麺のタイプとして、ここ10年くらいでノンフライ麺を使った商品も増えましたね。それ以前のノンフライ麺は、やや高級志向で値段も高めに設定してあるものが多かったのですが、最近は従来のフライ麺を使ったインスタントラーメンと同じ価格帯で購入できるものが増え、それまで手に取らなかった層の人も食べるようになりました。同時に、生麺に近い食感が楽しめるということで、生麺やチルド麺を食べていた人も食べるようになってきています。一方で、昔ながらのインスタントラーメンがいい、という人もいるなど、好みが多様化している状態です。

 時代のトレンドとは違いますが、夏場はさっぱりした塩ラーメン、冬場は体の温まる味噌ラーメンの人気が高まるといった季節性もありますね。

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フライ麺とノンフライ麺は何が違う?

 フライ麺もノンフライ麺も、基本的には麺を蒸してアルファ化させてから乾燥させたものです。フライ麺は蒸した麺を油で揚げて乾燥させているのに対して、ノンフライ麺は蒸した麺を熱風で乾燥させたものです。

 蒸した麺を油で揚げるフライ麺の製法を瞬間熱乾燥法といいますが、この方法だと一気に水分が蒸発して、お湯に戻すときも素早く戻せます。油で揚げることで、旨味が出るのも特徴です。現在の袋麺の8割程度はフライ麺ではないでしょうか。

 一方のノンフライ麺は、熱風乾燥させることで、若干コシが出るといったメリットがあります。カロリーが低いイメージがあるかもしれませんが、麺に油を使っていない分、スープに油を加えていることも多いので、それほど違いはないでしょう。最近ではマルちゃん正麺など、麺を蒸さずにアルファ化したうえで乾燥させるオリジナルの製法で作られるノンフライ麺も増えています。

 フライ麺、ノンフライ麺どちらがいいというものではないので、好みに合わせて選ぶのがおすすめです。このふたつ以外の方法としては「生タイプ即席めん」もありますが、これは蒸した麺を乳酸・クエン酸・酢酸・リンゴ酸などの有機酸で処理した後に殺菌したものです。その他、中華めんタイプの即席めんに限り、アルファ化していない状態で乾燥させた場合でも即席めんに含めます。

 また、生麺風など「生」を使った表記には「即席めんの表示に関する公正競争規約」において、麺を熱風乾燥したノンフライ麺であり、なおかつ「〇〇風」「〇〇感覚」といった注釈的な用語を付記したときのみ使用できるといった規定があります。

フライ麺(左)と、ノンフライ麺(右)
フライ麺(左)と、ノンフライ麺(右)

袋麺の保存方法は?

 袋麺を保存するときは、直射日光と匂いの強いもののそばは避けるようにしてください。

 基本的に袋麺は常温保存と記載されています。この「常温」が何度かというのは日本即席食品工業協会では設定していないのですが、日本産業規格では20度±15度(5~35度)、日本薬局方では15〜25度と規定されています。袋麺の一般的な賞味期限が8カ月程度ということから考えると、年間のほどんどの気候の条件下で一般的な場所に置いておいて大丈夫と考えてよいでしょう。極端に暑かったり寒かったりするところは避けたほうが無難です。

 匂い移りや、結露やデンプンの老化という点からも、冷蔵庫での保存はおすすめできません。また、冷凍保存はできないので、賞味期限が近づいたら冷凍するのではなく食べきるようにしてください。

ほとんどの袋麺は、袋の裏面に保存方法が記載されている
ほとんどの袋麺は、袋の裏面に保存方法が記載されている

賞味期限に注意

 インスタントラーメンの賞味期限は、カップ麺で6カ月程度、袋麺で8カ月程度の場合が多いです。パッケージに記載されている賞味期限を確認するのはもちろん、もし賞味期限内であっても、スープが固まってしまっていたり、麺から少し刺激のあるような匂いを感じたりしたら、酸化している可能性があるため食べない方がいいでしょう。不安に思ったら調理前に軽く匂いをかいで確認してみてください。

賞味期限に注意

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