先日、自分の部屋を大掃除していた時、押し入れにあった何年も開けていない段ボールの中から、めっちゃ懐かしい大量のゲームの攻略本が出てきました! 見た感じ小学生から高校生の頃に買ったものかなと。中には触るのも怖いくらい、背表紙からはがれてバラバラになりそうな本もあり、それでもついつい見たくなる衝動を抑えられずにチラ見なんて始末。
そんなわけで、今回は「こんなお宝の山を見つけたら我慢できない!」となり、どうしても記事を書きたいと上司にゴリ押し、再会した攻略本との思い出を書こうと思います。というわけで、取り上げるのはこちら。
スーパーファミコン用ソフトとして販売された初代マリオカートの攻略本『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』!
没入感を高めてくれるテキストと実写の写真がたまらない!
こちらは第1刷の発行が1992年10月で、企画・編集は小学館とAPEが担当。当時小学生の筆者は、誰が制作に関わったかなんて気にもしていませんでしたが、APEは糸井重里さんが設立した会社で、ご本人もこの攻略本の制作に関わっていたんですね。当時は全く知りませんでした。
マリオカートは、今なお新作が作られている人気ゲームシリーズ。その初代『スーパーマリオカート』は、マリオやクッパ、ピーチ姫といった総勢8人のキャラクターが乗ったカートを操り、グランプリレースを勝ち抜いたり、風船割りゲームを楽しんだりできるゲームで、スーパーファミコンで登場しました。
この攻略本には、ゲームの攻略情報や開発者インタビュー、関係者のタイムアタック情報などが載っていますが、まずあらためて読んで思ったのは、とにかく熱量がすごいなということ。
例えば、ドライバーズポイント(グランプリレースの得点制度)の説明を少しだけ引用します。
がんばって1位になれたあかつきには表彰台のてっぺんに上ぼることができて、これはなかなか気分がいいぞ。
(出典:『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』より)
「これはなかなか気分がいいぞ」。こんな感じで気分を盛り上げてくれるフレーズが、至るところにあるんです。テキストの語り口も「~だぞ!」とか「~しよう!」といった感じが多くて、どこか攻略本から“話しかけられている”感じがして、普通の読書より前のめりになっていたのをよく覚えています。
あと気分が盛り上がるといえば、実写の写真の数々! スピード感あふれる実際のレース模様や、ゲーム内のコースそっくりの風景写真がたくさん載っているんです。こういう実写の写真って昔の攻略本によくありましたけど、作品世界のイメージが膨らんで、とても楽しいんですよね。
ちなみにリアルと絡めたコンテンツとしては、本物のプロレーシングドライバーが「タイムアタックの走り方 ~マリオカートS級ライセンスへの道~」と題して、レースで勝つための心構えを指南する企画もあります。実際のレースとゲームの世界観を重ねて、走り屋漫画を思わせる熱い語り口で授けられるアドバイスの数々は、めちゃくちゃ味わい深いです(しかし、あらためて見ると、すごく尖った攻略本だなーと感じます)。
何よりもハマった漫画「スーパーマリオカート ブッチギリ外伝」!
こんな感じで、読み物としてもすごく面白い攻略本なのですが、個人的に一番好きだったのが「スーパーマリオカート ブッチギリ外伝」という漫画! 描かれたのは伊藤アシュラさん。マリオ達がグランプリレースで戦う様子を描いた作品で、だいたいマリオが悲惨な目に遭ってしまいます(苦笑)。
この漫画、シンプルに漫画作品として好きだったんですが、それ以上にゲーム世界の想像を膨らませてくれるのがお気に入りでした。
例えば、グランプリレースの前にみんなで腹ごしらえに行くシーンがあるんですが、マリオはハンバーガーらしきものを食べているのに、他のみんなは妙なものを食べているんですよ。ルイージは赤い甲羅、ピーチは妙にカラフルな毒々しいキノコなど。クッパにいたっては、店の外で「火の玉油」なんて物騒なものを飲んでいます。まともな食べ物は、ドンキーのバナナくらいでしょうか。
ゲームをプレイした経験がある人はお気づきかと思いますが、これらはそれぞれのキャラクターが使ってくる攻撃アイテム(ルイージが使ってくるのは、赤甲羅じゃなくてスターですが)。つまり、みんなレースに備えて、攻撃アイテムを“食べることで”準備していた……? 当時は「ピーチ姫やキノピオは、毒キノコを食べて平気なのか……?」と、びっくりしたもんでした(なお、漫画のクッパの予言通り、ACT.5でマリオはしっかり分からされます)。
ちなみにこのシーンを見て、クッパの火の玉は、飲んだ火の玉油がおならみたいにおしりから出て、それにタイヤと地面の摩擦で生まれた火花が引火して、火の玉になってるんだろうとか、子どもっぽい意味不明な想像をしていました。そのせいで一時期、前を走るクッパが後ろに火の玉を出す度に、妙に面白くなってニヤニヤしたもんです。……ちなみに小学校高学年から中学生くらいの時の話です(恥)。
他にも衝撃だったのが、漫画の最後でマリオがPバルーンで膨らむシーンがあるんですが、ルイージにPバルーンを食べさせられて膨らむんですよね。当時、子どもながらに「……え、Pバルーンって食べて膨らむの?」とびっくりしました。内臓とか大丈夫なのか、マリオよ……(野暮)。
この漫画のおかげで『スーパーマリオカート』というゲーム自体をより楽しめたのはもちろん、漫画をきっかけにゲーム世界のことを色々想像して楽しませてもらったのは、ホント良い思い出です。
この攻略本には他にも、中扉に掲載されたミニチュアで再現したゲームシーンや、各コースの攻略ページに描かれたキャラクターのワンポイントイラスト、宮本茂さんらゲーム制作に携わった開発スタッフさん達へのインタビューなど、魅力がいっぱい! パラパラめくって眺めているだけでも、ホント楽しいです。もしチャンスがあったら、ぜひ読んでみてください!
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