ねとらぼ
2025/08/25 12:00(公開)

子どもを𠮟りすぎて後悔しないために……小学校受験の専門家が教える心構え

何かと不安に思うことも多い小学校受験。知育・受験対策の幼児教室「チャイルド・アイズ」受験対策責任者・葛西香さんに保護者の心構えについて寄稿いただきました。

 「どうしてできないの?」そんな言葉をつい子どもに言ってしまったことはありませんか。子どもの小学校受験を経験したお母さんたちの中には、「子どもを叱りすぎた」「感情的になってしまった」と、後悔の気持ちを抱えてしまう方も少なくないと言われています。

受験に向けて学ぶ子どもたちのイメージ画像
受験に向けて学ぶ子どもたちのイメージ画像(提供:チャイルド・アイズ)

 受験準備では、つい「できるようにさせる」ことに目が向きますが、年中・年長は自己肯定感ややる気といった非認知能力がぐんと育つ時期です。この時期にこそ、子ども自身の「やってみたい」という気持ちに寄り添う関わり方が大切です。親が一歩引いて見守り、子どもが「できた!」と実感できる経験を積み重ねることが、受験期の成長を支えます。

 では、実際の準備はどのように進めていけばよいのでしょうか。

advertisement

小学校受験は家庭の方針のすり合わせから始まる

 小学校受験は2年程度かけて準備できると安心ですが、スタート時期はご家庭それぞれ。1年でも半年でも、その時期に合った方法でのぞむことが大切です。早く始めると視野が広がる、という目安としてお考えください。

 受験準備のスタート時期に正解はありませんが、どのご家庭でもまず考えたいのは「どんな環境で子どもを育てたいか」という方針です。

パズルで学ぶ子どものイメージ画像(提供:チャイルド・アイズ)

 中学受験対策へのサポート体制や教育環境を軸に選ぶ家庭も増えており、家庭の教育方針を明確にすることが不可欠です。家庭では夫婦で価値観を共有し、意見のすり合わせを行いましょう。シングルの家庭でも、祖父母などの家族に協力を仰ぎ、説明会参加や送迎などの役割分担をすると無理なく進められます。

 中には仕事のようにto doリストを作ってコスパ・タイパを図る方もいますが、日々成長する子どもに目を向けず、コスパやタイパばかりを追うと「小学校受験してよかったね」という家族の喜びが欠落してしまいます。せっかくの小学校受験、ぜひ家族一緒に楽しんでください。

advertisement

信じて“ゆだねる”受験準備 親がすべきこと、しないこと

 小学校受験では、ペーパー試験だけでなく、自己表現や行動観察、生活習慣、絵画制作など多様な力が求められるからこそ、子どもが「自分はできる」と思える経験がとても大切です。

塾で学ぶ子どもたちのイメージ画像
塾で学ぶ子どもたちのイメージ画像(提供:チャイルド・アイズ)

 理想的な受験準備の流れがあっても、忙しい日常の中で保護者がそれをすべて管理するのは現実的ではありません。例えばチャイルド・アイズでは、小学校受験までの2年間を「導入期」「基礎構築」「基礎完成」「発展・応用期」「直前期」の5段階に分け、それぞれに合わせたサポートを行っています。大切なのは、全体像を知ったうえで「何を今すべきか」「塾などのサポートに何を任せてもよいか」を整理しておくこと。そのための情報を得る機会や、受け皿となる場を活用すれば、家庭のペースに無理なく沿った準備が可能になります。

advertisement

合否だけじゃない小学校受験 家庭で得られる“収穫”とは

 合否は受験の一区切りにすぎません。小学校受験を通して、子どもがどれだけ成長したか、家庭がどんな価値観を大切にできたかが、最終的な“収穫”になります。途中でやめる選択をするご家庭もありますが、それは逃げではなく、次に向けた前向きな一歩です。その後の進路を明確にしていれば、中学校受験や新たな学びへと自然につなげていくことができます。合否に一喜一憂せず、迷ったときは子どもの気持ちや頑張ってきた過程に立ち返る柔軟さを持ちましょう。家庭ごとのペースと判断を尊重する姿勢が、心から納得できる「ご縁」へと導いてくれるのです。

著者紹介

著者・葛西香【葛西 香】
チャイルド・アイズ受験対策責任者。知育と非認知能力の育成に精通し、幼稚園・小学校受験において高い合格実績を誇る。教室運営から研修監修まで幅広く担い、特に「初めての受験」に臨む家庭への支援に力を注ぐ。
【チャイルド・アイズ】
1歳半から小学生を対象に「知能育成」と「受験対策」の両輪で「考える力」「伝える力」を育てる知育教室。
準備期間の流れや保護者の関わり方、志望校選びのポイントを解説した、はじめての小学校受験に向けた動画教材「小学校受験 考査別完全攻略ガイド 2025」を発売するなど、生徒・保護者のためにより良いサポートを追求。「叱るより応援したい」「迷いながらでも子どもと向き合いたい」という保護者の思いに寄り添い、家族みんなで挑戦を前向きに楽しめるようサポートする。

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

関連タグ

Copyright © ITmedia Inc. All Rights Reserved.