ねとらぼ
2025/09/29 19:45(公開)

「干ししいたけ」を“さらに”干すとビタミンD2が増える!? 干し方も紹介

 おいしい出汁が取れるうえ、煮物やお雑煮の具にもなる「干ししいたけ」は、栄養も抜群。ですが、じつはこの干ししいたけ、さらに干すとビタミンDの含有量が増えるの、知っていますか?

 この“追熟”ならぬ“追い干し”、「どうせ面倒なんでしょう?」と思いきや、意外にも干ししいたけを天日干しするだけでOK! では、どんなメカニズムで栄養素が増え、どういった体に良い効果を得られるのでしょうか?

画像:写真AC
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干ししいたけを天日干しすると栄養が増えるのはなぜ?

 実はしいたけの産地では、昔から天日干しではなく、薪火乾燥や炭火乾燥が主流でした。その大きな理由が、天日干しによる乾燥不足。真夏以外の弱い日差しでは、しいたけが完全に乾燥するまでに時間がかかりすぎ、品質が保てず長期保存に不向きだったのです。

 しいたけに含まれる「エルゴステロール」という物質は、紫外線が当たるとビタミンD2に変わります。そのため、干ししいたけを天日干しすることで、ビタミンD2の量がアップするというわけです。

 ちなみに、人間は日光浴をすることで、体内でビタミンDが作られます。ですが、デスクワークをしていると、日中に外へ出るのもなかなか難しいですよね。そのため、食品からビタミンDを補う意味でも、「干ししいたけの天日干し」はオススメです。

 ビタミンDの主な役割の一つは、骨や歯の健やかな成長を支えること。カルシウムを吸収しやすくする働きがあり、体の中のカルシウムのバランスが保たれることで、筋肉や心臓の働きも助けます。さらに、国立がん研究センターの研究では、ビタミンDの血中濃度が高くなると、がんの罹患リスクが低下するという報告もあります。

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干ししいたけを天日干しする方法

 干ししいたけを天日干しする方法は、とってもシンプル! 太陽の光が当たる屋外に1時間ほど置いておくだけです。実際に干ししいたけを買ってきて、試してみました。

干ししいたけの天日干しの手順

1:まず、干ししいたけを皿やざるに重ならないように並べます。このとき、傘の裏側を上に向けて光に当てます。

干ししいたけを並べて太陽に当てます
干ししいたけを並べて太陽に当てます

2:1時間ほど経過し、傘の裏が白っぽくなったらOK。これで干ししいたけの天日干しは完了です。

1時間経つと白っぽくなりました!
1時間ほど経つと白っぽくなりました!

3:すぐに使用する場合は、そのまま水で戻して使います。保存する場合は、干ししいたけが冷めてから袋に入れます。熱々のまま入れると、結露する可能性があるので注意しましょう。

冷えてから袋に入れましょう
冷めてから袋に入れましょう
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ビタミンD量はどれくらい増える?

 過去に実験された報告によると、干ししいたけに“ひだ”側から紫外線を当てた結果、ビタミンD2の増加が確認されました。それによると、この干ししいたけの5分の1で、成人が1日に必要とするビタミンD摂取量を満たすことができるそうです。

 注意点としては、時間がたつと元のエルゴステロールに戻ってしまうこと。そのため、近いうちに使用する分だけ、天日するのが良いかもしれません。

 ちなみに、干ししいたけにはビタミンDだけでなく、その他のビタミンやミネラル、食物繊維なども含まれています。なかでも“疲労回復ビタミン”ともいわれるビタミンB1や、皮膚や髪、爪などの再生を助けるビタミンB2などが取りやすい食材です。大人はもちろん、成長期のお子さんや妊婦さんにも大事な栄養素です。

 そのほかに、しいたけに特徴的な栄養素として「エリタデニン」があります。この栄養素は血中の総コレステロール値を下げる効果が期待できます。それによって血流が良くなり、動脈硬化や高血圧の予防に効果的な可能性があります。

 干ししいたけに、太陽光を1時間当てるだけでビタミンD含有量がアップ! しかも成人が1日に取るべき量をしっかり確保できる数値になるのは、うれしいですよね。

 効率的にビタミンDが取れて保存もしやすい干ししいたけは、常備しておきたい食材の一つ。ぜひスーパーで見かけたら手に取ってみてください。

参考

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