1年前や5年前……。少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘!」。今回は2023年に投稿された、インテリアのプロでも「難しい」と感じる、ダークブラウンの床の部屋の家具選びについての解説動画を紹介します。

動画「もう迷わない!ダークブラウン床のインテリア解説」
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インテリアのプロオンラインストアがお部屋の悩みに答える

 動画を手掛けたのは、家具・インテリアのオンラインストア「LOWYA」のYouTubeチャンネル(@LOWYA_Official)です。

 同ブランドのスタイリスト、木下さんが「引っ越し先の床が暗い」という視聴者からのリクエストに答えて、ダークブラウンの床にどんなインテリアを合わせるかを解説します。

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「ダークブラウンの床」に合う色は

 ダークブラウンの床にインテリアや家具を合わせることは、LOWYAのスタッフでも難しいといいます。暗い色は重たい印象なので、部屋を見るときに視線が床に持っていかれるからだと木下さんは説明します。

 そんな暗い床に合わせる家具の選び方について、木下さんはNG例とOK例を示しながら解説します。まずはナチュラルで明るい色と、濃い茶色という色違いの木製のイスを2つ、ダークブラウンの床に並べて「どっちが合うと思いますか」と問いかけました。

日本の家具はナチュラル系の色のものが多いため、明るい色の方を選ぶ人が多いそうですが……

 正解は色の濃い茶色のイスです。ダークブラウンは非常に濁った色なので、同じような濁った色をぶつけると相性が悪く、「ケンカ」して浮いて見えます。しかし、同じくらい濃いブラウンだと濁った色同士でも同化して統一感が生まれ、「ケンカ」にはならないとのことです。

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「単体ではおしゃれな色」でも床との組み合わせで「NG」に

 次に木下さんは、約8畳の1Kのダークブラウン床の部屋に、ナチュラル系の家具を並べて部屋のNG例を作ります。置いたのは明るい色の椅子に、ややダークなドレッサー、シャビーナチュラルの棚にベージュのテレビボードというウッド系の家具、さらに白いテーブルに薄グレーのソファ、ベッドです。

ちぐはぐな雰囲気のNG例の部屋

 部屋を見るポイントは大きく2つ。「白や薄いグレーのような軽いモノトーンの家具を使う」「ダークブラウンの床に近い色の家具を使う」。当てはまらないものがNGです。

 例えば明るいナチュラル系の色のイスは、悪目立ちしてしまっていてNG。ややダークなドレッサーは床と色が近いのでOKとのこと。イスを床と同系色のダークブラウンのものに変えるだけで大きく印象が変わります。

 ベージュのテレビボードは、床の茶色と違う濁った色です。単体ではおしゃれな色なのですが、床との相性という点から見ると濁った色同士がぶつかるNG例だといいます。

くすんだ色なので、違和感も強め

 シャビーナチュラルの棚もNGですが、少し色が濃いため他の家具に比べると「マシ」なのだそうです。「床の色に近くなるほどマシになるので、家具の色の濃さは最低限このぐらいにしといた方がいいかなと思いますね」と木下さん。とはいえ、やはり「正解」ではなく、床と同じような濃さのダークブラウンの方が良いそうです。

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ダークブラウンに合わせる「正解」の色は

 一方で、白いテーブルはモノトーンなので「正解に近い色」とのこと。ソファもアイボリーだけどホワイトに近い薄いグレーなので大丈夫だという理由です。

 木下さんは白、黒、、グレーなどの「無彩色」カラーについて、色を持っていないためどんな色と合わせてもケンカしにくく、基本的にはダークブラウンに合わせるには薄いグレーやホワイトが適していると評価しました。

 しかし、無彩色なら何でも良いわけではなく、黒は基本的にNG。重い印象の濃いブラウンの床の上に、さらに重たい黒をのせると、人間の目は色が重そうなものが上になることに慣れておらず、違和感を覚えてしまうからだと言います。

 最後に指摘するNGなポイントは床。ラグなどを何も敷いていないので「ダークブラウンの濃い感じがすごい出てる」とのことで、オススメの敷物の色は薄い無彩色だそうです。

ラグを敷くだけで軽い印象に

 無彩色のラグを敷くと、床に視線が引っ張られ過ぎるのを緩和するだけではなく、「緩衝材になってくれる」効果も。例えばダークブラウンの床とナチュラルの木製の家具という相性の悪い色を直接ぶつけると濁った印象になるものの、その間に薄い色のラグや無彩色のラグを入れることで緩衝材になるのだそうです。

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「OK例の部屋」で統一感の出し方をチェック

 続いて、NG例の家具を床の色と相性の良い家具と入れかえてOK例の部屋を作り、印象の違いを見せてくれました。

部屋全体がまとまった印象で、重さも感じにくくなりました

 最初に解説したポイントはラグ。薄いグレーのラグを、部屋の中心のほか、イスの下にも敷いています。ダークブラウンの面積を減らし、また椅子と床のブラウンが重なると重たくなるためラグで軽さを出しています。

 次は家具について。NG例では明るい色だったイスを同系色に、テレビボードを同じくらいの濃さにすることで統一感を出しました。

部屋の印象を大きく変えるテレビボードの色

 濁った色同士を同系色にそろえることで統一感を出していますが、やり過ぎると単調になったり、重くなってしまったりするそうで、ベッドやソファ、テーブルは無彩色を選択。テーブルやソファなど無彩色の家具とうまく組み合わせながら、ポイントでダークブラウンの家具を使うとよいとアドバイスしています。

 ダークブラウンの床のインテリアのポイントは、基本的に「床に近い色の家具を使う」「明るめのモノトーンの家具を使う」ですが、「原色を一部取り入れる」という例外も。濁った色同士をぶつけると相性が悪いのですが、原色は濁っていないので取り入れてもあまりケンカしにくいそうです。

 ただ原色の面積が大きくなりすぎないようにしたほうがよく、取り入れる例としては、観葉植物のグリーンや、ペルシャ絨毯など赤い刺繍のラグ、ネイビーのソファなどが挙げられます。お部屋に遊び心も出せるとのことです。

雑貨も家具と基本は同じ

 OK例の部屋に雑貨などを飾り、照明をつけて、ダークブラウン床の部屋のインテリアを完成させていきます。 雑貨は基本的には無彩色か床の色と同じダークブラウンを選ぶのが良いそうです。

雑貨選びもポイントも家具と基本的に同じ

 シルバーやゴールドもオススメとのこと。「ダークブラウンはヴィンテージとかアンティーク系と相性がよく、ゴールドやシルバーはアンティークっぽい雰囲気を出すことができます。しかも無彩色のような要素があって、どんな色とでも合わせやすいんです」と木下さん。ドライフラワーや観葉植物、原色の青なども相性がとても良いそうです。

 以上のポイントを意識して完成させた部屋は、全体的に統一感があるのに加え、黄色のクッションや濃い青の差し色が入ったブランケットが置かれてアクセントとして効いています。

ダークブラウンの床の部屋のインテリアが完成

 それに加えて、重要なのは間接照明。暖色系のオレンジっぽい光の照明を選んだことで、木の色の濃さの差が目立たなくなっています。「暗いとこが暗くなる分より統一感が出る」ため、間接照明は絶対入れてほしいそうです。また「木の色の濃さの差が目立たなくなる」効果によって、NG例にあったような家具を選んだとしても、間接照明を採用すると悪目立ちしづらくなるそうです。

 ダークブラウン床の部屋のインテリアのポイントを、「床に近い色の家具を使う」「明るめモノトーンの家具を使う」「原色を一部取り入れる」「間接接照明を複数個使う」の4点にまとめ、動画はしめくくられました。

「わかりやすい」「参考になります」

 動画には「気取らず、素人目線で解説してくれるのが非常にわかりやすいです」「我が家のリビングがダークブラウン系だったので勉強させてもらいました」「家具の色を何色にすればいいのかわからなかったので参考になります」などの声が多数寄せられていました。

 また、「前住んでた家、こんな色の床だったから本当は白がよかったけど暗い家具で固めた。でも途中から無理! ってなって白い机買ったら幸せになった」と、今回解説されたポイントを裏付けるようなコメントもありました。

 「LOWYA」はYouTubeのほか、InstagramTikTokX(旧Twitter)LINE などでインテリアについて発信しています。

動画提供:YouTubeチャンネル「LOWYA」(@LOWYA_Official

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