イギリスで瀕死の状態だったフクロウが、ある男性に命を救われました。男性から献身的な世話を受け、やがてフクロウは野生へと戻って行きました。ところが後日、まるで“ありがとう”と言うかのように、フクロウが毎晩男性のもとを訪れるようになったのです。

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瀕死のフクロウとの出会い “キャプテン・ティベリウス”の誕生

 2024年6月、イギリス・デヴォン州に住むマーク・フォーデンさん(63)は、軍の練兵場で弱り切った小さなフクロウを見つけました。フクロウは飢えで衰弱し、今にも息絶えそうなコノハズク。マークさんは迷わず保護し、自宅へ連れ帰りました。

 動物好きのマークさんは、フクロウにキャプテン・ジェームズ・ティベリウス・カークと名付けました。人気SFドラマ「スタートレック」のキャラクターにちなんだ名前です。

画像はFacebookアカウント「Matthew Manning’s post」より引用

 ティベリウスは最初、餌をまったく受けつけませんでした。ですが、マークさんは手で餌を与えながら根気よく看病を続けました。ティベリウスは、やがて食欲を取り戻し、体力も少しずつ回復。数週間後、マークさんが窓を開けると、ティベリウスは翼を広げて空へと帰っていきました。

「いつか彼がこの出来事を覚えていてくれたらいいな」

 マークさんはそう静かに願ったといいます。

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12日後に戻ってきたフクロウと奇跡の再会

 ティベリウスを野生に返してから12日後の夜。マークさんの自宅に設置された防犯カメラ(Ringアプリ)に、見覚えのある影が映りました。そこに現れたのは、他でもないティベリウスでした。

画像はFacebookアカウント「Matthew Manning」から引用

 玄関先に立ったティベリウスは、カメラの前でじっと動かずに佇んでいたといいます。まるで「ありがとう」と伝えるかのように。

 その後もティベリウスは夜ごと姿を見せるようになり、マークさんは「まるで友人があいさつしに訪ねに来てくれるようだ」と感じました。

画像はFacebookアカウント「Matthew Manning’s post」より引用
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恩返しの訪問が毎晩続く 生まれた絆と感動の輪

 ティベリウスの訪問が続くと、マークさんは複数のカメラを設置し、記録をつけはじめました。フクロウが毎晩訪れる光景に家族も驚き、温かい感動に包まれたといいます。

 この出来事がSNSで紹介されると、世界中のユーザーが反応しました。ストーリーがシェアされたFacebookのコメント欄には、次のような声が寄せられています。

「なんて美しい絆なんだ」
「フクロウが恩を覚えていたなんて信じられない」
「助けてくれてありがとう、マーク!」
「ティベリウスは恩人を忘れなかったんだね」

 マークさんはこの出来事を振り返り、静かに語りました。

「もし私たちが周りの生き物たちにもう少しだけ注意を向けたら、人生はもっと豊かになるのかもしれません」

 言葉が通じなくても、心は通じる。フクロウと人間の小さな奇跡は、今もデヴォンの夜空の下で静かに続いています。