ねとらぼ

 また、前作の準主人公であったムゲンは、今回は襲撃事件の容疑者であるため身動きが取れず、物語の蚊帳の外に置かれているようでもある。しかし、実際は執行人のナタ(水瀬いのり)と一緒にゲームで遊んでいる姿だけでも微笑ましいし、後半からは笑ってしまうほどに凄まじい戦闘力を発揮した見せ場も用意されている。

 さらに、ルーイエとの冒険の道中でも、シャオヘイが「ムゲンへの態度」を見せるシーンも大笑いできるので、そちらも楽しみにしてほしい。

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2:「目にも止まらないけど論理的」なアクション描写がさらに進化

 前作で絶賛を浴びたのは、なんといってもアクション描写。2Dの作画をベースとしながらも「空間」を意識した画作りかつ、とんでもない距離を一瞬で移動したり、はるか彼方へと吹っ飛ばしたりと、日本のアニメ、特に『NARUTO -ナルト-』や『ドラゴンボール』を思わせるハイスピードバトルが展開していた。そして、続編である今回は、「見たことがないアクションってこの世にまだ存在していたんだ……!」という驚きで、これまた涙を流す瞬間すらあったのだ。

(C)Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

 MTJJ監督(今作クレジットでは「木頭監督」と表記)は前作のアクションについて、「普通に見ていると目にも止まらない速度のアクションですが、詳しく見るとキチンと論理的な戦闘をしている」ことをアクション表現の目標に挙げていた。

 それでいて、「次はもっと注意しつつ、いろいろな組み合わせを試してみたいと思います」とも語っていた。(※以上のMTJJの発言はラジオ番組『アフター6ジャンクション』鬼滅もいいけどロシャオもね!『羅小黒戦記 僕が選ぶ未来』総力特集より引用)

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 前作から続くこの恐ろしいまでの試行錯誤が身を結んだためか、今作ではアクションのアイデアそのものがさらなる進化を遂げており、それぞれが「目にも止まらない論理的アクション」となっていたのだ。

 これから見る人の楽しみを削ぎたくはないので詳細は記さないでおくが、特に中盤の「旅客機を舞台にしたアクション」と、クライマックスの「集団戦&ラスボス戦」は心からの拍手喝采を送りたくなった。前作の美点(アクション部分)をさらにパワーアップするタイプの続編としても、ひとつの理想形だろう。

(C)Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

 さらに、今回の『羅小黒戦記2』のパンフレットで共同監督を務めた顧傑監督は、「今回は第1作がクオリティの最低ラインでしたが、次回を作るときは本作が、最低ラインになります」と語っていた。

 キャラの魅力も、アクションも、後述する物語も、今回で最上級まで高まった印象さえあるのだが、次回はこれが最低クオリティとまで宣言する覚悟は、もはや恐ろしい。パンフレットではその旅客機のアクションも含め、監督をはじめとするスタッフの工夫や苦労も語られているので、ぜひ読んでみてほしい。

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