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『天使のたまご 4Kリマスター』が11月14日よりドルビーシネマで先行公開、21日より全国順次公開される。
1985年に発表された同作は、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の押井守が原案・脚本・監督を務めたオリジナル作品であり、ゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズでも知られる天野喜孝をアートディレクターに迎えて描いたファンタジー作品だ。
伝説化した作品を2025年の今に蘇らせた、IMAGICAエンタテインメントメディアサービスの水戸遼平、山口登へのインタビューをお届けする。実際にどのような作業を行ったか、また劇場で『天使のたまご』を鑑賞する意義も知っていただけたら幸いである。
■水戸遼平(メディア営業部メディア営業グループ マネージャー)
本作のデジタルリマスターのプロジェクトマネジメントを担当。 2013年アーカイブ事業の専門チームの設立より、これまでに100作品以上のデジタルリマスターを手がける。現在は、デジタルリマスターだけでなく配信、パッケージなど映像作品の二次流通サービスに幅広く関わる。
■山口登(カラリスト)
カラリストとして、本作の色彩調整を担当。
『日日是好日』『宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4K修復版』など新旧幅広いジャンルでカラーグレーディングを担当。
advertisement『天使のたまご』の第一印象は「すごい作品だな」
──まずは、『天使のたまご』をご覧になった時の率直な感想と、今回のリマスターのお話が来た時にどう思われたか、ぜひお聞かせください。
水戸遼平(以下、水戸) お話が来る前は観たことがなかったのですが、正直に申し上げると「すごい作品だな」と感じました(笑)。観込んでいくとカットや映像の作り方が「美術品」そのものだと思いましたし、今まで僕が仕事で携わってきた作品でも、こういったものはなかったので、今までとは違う視点でアプローチできないかと考えていました。
山口登(以下、山口) 僕もお話が来た時に初めて拝見したのですが、率直に申し上げて、難解でした。特に世界観は1回観ただけでは把握しきれないところがありましたし、こうして作品に携わって何度も観てもいまだに完全に理解はしきれてないですが、示唆に富んだストーリーテリングと、ダークな世界観や作風にとても引き込まれました。
──では、おふたりは具体的にどのような形で作品に関わったのでしょうか。
水戸 ざっくりと言えば、「素材の選定」や「具体的にどういう技術を使って仕上げていくか」という「全体設計」と、「デジタル修復に当たってチームと方向性を確認しながらリマスターのプロジェクトを進行する」という「総合管理」をする立場です。私自身が直接的に修復作業をしているわけではないため、コーディネーターと名乗っています。
山口 シンプルに言えば、作品の明るさや色を調整する仕事と説明できますね。今回は35ミリフィルムのネガからスキャンされたデータから明るさと色を調整する作業を行っています。 実際に『天使のたまご』を観ると画の力がものすごいので、色調整が少しでもずれると台無しになってしまうのではないか……と考えましたし、かなり重い仕事だというプレッシャーがありました。
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