アメリカ・ワシントンD.C.に暮らす犬の調教師で動物行動学の専門家、アンバー・アクワートさんは、ある日信じられない光景を目にしました。自身のインスタグラムアカウント「Whiskey Toller | Amber & Animals」でその映像をシェアすると、800万回以上の再生回数を記録。「泣きそう」「絆の深さを感じる」と多くのユーザーの心を揺さぶりました。

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怪我した愛犬をマッサージ中、愛猫が取った行動は……

 ある日、アクワートさんは怪我をした愛犬のオークリーをマッサージしていました。すると、そこへ同居猫のリバーが近づいてきます。様子でも見にきたのでしょうか?

 するとリバーは、オークリーのそばにそっと寄り添い、ある行動を取りました。

画像はInstagramアカウント「Whiskey Toller | Amber & Animals」からの引用

 なんとリバーは、まるで自分も手伝おうとするかのように、オークリーの体を優しくマッサージしはじめたのです。

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オークリーの怪我をきっかけに癒やし手となったリバー

 オークリーが怪我を負ってしまったのは数カ月前。それ以降、アクワートさんは毎日欠かさず、オークリーのリハビリとマッサージを続けてきました。

画像はInstagramアカウント「Whiskey Toller | Amber & Animals」からの引用

 最初、リバーはアクワートさんのそばで、オークリーをただ見守っているだけでした。

 アクワートさんによると、リバーはもともと一時的に迎え入れる予定の猫でした。ですが、一緒に暮らす中で、温厚で穏やかなオークリーの優しい性格を敏感に感じ取っていたのか、年月を重ねるごとに2匹の絆は深まっていきます。やがてリバーにとってオークリーは兄のような存在へと変化していきました。

 そして、次第にオークリーのそばへ横たわるようになり、ついには自らオークリーをマッサージしはじめたのです。

 猫が犬をマッサージするという行動は非常に珍しく、専門家であるアクワートさん自身も驚きを隠せなかったそうです。

「数回様子を見ているうちに、リバーはオークリーのマッサージに加わるようになりました。毎晩だけでなく、日中でも自ら進んで彼のところへ行き、優しくマッサージをしているのです」

 マッサージを施すために、リバーは小さな前足を懸命に動かします。そこから伝わるのは、“大好きな家族に早く元気になってほしい”という純粋な思い。関節炎も患っているオークリーは、リバーのマッサージが心地いいのか、目を閉じて静かに身を任せています。

画像はInstagramアカウント「Whiskey Toller | Amber & Animals」からの引用

 アクワートさんは、リバーとオークリーが深い絆を結んだことから、リバーを正式に家族として迎えることを決めたといいます。

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異なる種が築いた家族の絆と愛情

 アクワートさんは、今回の光景が「猫は冷淡」「距離を置く」というイメージを覆すものだと話しています。

「リバーは人間だけでなく、犬とも深い愛情を築けると証明してくれました。2匹の友情が、動画を見たたくさんの人の心を癒やしていることを知り、とてもうれしく思いました」

 怪我をした老犬のために、健気に前足を動かしてマッサージを続ける猫リバー。その姿からは、言葉を超えて伝わる“思いやり”には、境界線などないことを教えてくれます。種が異なっても、互いに信頼しあっているからこその光景です。

画像はInstagramアカウント「Whiskey Toller | Amber & Animals」からの引用

 アクワートさんのインスタグラムアカウントに投稿されたオークリーとリバーの動画は、多くのユーザーの心を癒やしたようです。コメント欄には「感動で泣きそう。本当に愛らしい」「絆の深さを感じた」「リバーなりの優しい方法で犬を癒やしているんだね」「猫と老犬を飼っている身として胸に響いた」「猫は本当はとても頭が良くてかわいらしいんだよ」などといった声が寄せられています。