ねとらぼ

ところで『剣の舞』も面白いです

 ここまでは『雪の峠』の話に終始してしまいましたが、もう一つの短編である『剣の舞』、個人的には『雪の峠』の方がより好みというだけで、こちらも読み応えのあるタイトルです。

 主要キャラが「剣聖」と呼ばれる上泉信綱とその高弟である疋田景兼(文五郎)、というだけでも十分強力なキャストなのですが、ここに敢えて架空のキャラである「ハルナ」を主役に据えている辺りが岩明先生一流のテクニック

 話の味付けとしてはだいぶヒロイックで、実話に即したリアリティ、という点では『雪の峠』に一歩譲るかも知れませんが、重たさと気楽さ、爽快感と悲壮感が絶妙にブレンドされている辺り、こちらも十二分に「歴史漫画」としての名作に数えるべき完成度になっているとおもいます。

 取り急ぎ、十文字槍で敵兵を片っ端からなぎ倒す上泉信綱がめちゃくちゃかっこいい点は保証できますので、ご興味ある方はこちらも是非。

 長々と書いてきてしまいました。

 私が言いたいことをひとことでまとめると、

「『雪の峠・剣の舞』はめちゃ面白いですので皆さん読んでください、ただ電子書籍になっていないことが唯一最大の問題点なので是非電子書籍化に期待したいですよろしくお願いします」

 ということになります。

 ホント、こんなに面白い作品が手に入りにくいのは重大な損失だと思いますので、なんとか電子化していただけないものかなーと。出たら買います(文庫版とKCデラックス版両方持ってるけど)。

 今日書きたいことはこれくらいです。

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